賃金が上がらないのはなぜか?


賃金が上がらない」このテーマについて、検索すると様々な意見が見つかります。

小難しく説明されているものもあれば、簡単に説明されているものもあり、どの説明が正しいのかわからないとなる人も多いのではないかと思います。

賃金推移を見る限り、下がる一方で、横ばいならマシといったところです。

出典:厚生労働省

2016年は中小企業の賃金上昇率は大企業よりも上回っているとの報道もあります。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H1C_Z10C17A2NN1000/

多少上向いてきた雰囲気ではありますが、「豊かになったか」と言われればそうではありません。

人手不足は顕著になりこれから賃金は上がる方向にいけば非常に嬉しいことですが、賃金が上がることを受け入れたくない者がいることも事実です。

この記事では私の視点で賃金が上がらない原因を書いてみたいと思います。


賃金が上がらないいくつかの理由

大きな原因、根本的な原因は以下が原因としてあります。

グローバリズム

デフレ

政府が需要を作らない

構造改革、規制緩和

この4つは大きく関連しており、賃金が上がらない理由の大部分を占めるものです。


グローバリズムは賃金を押し下げる

以前の記事でグローバリズムについての危険性を指摘しました。

グローバリズムとは「ヒト・モノ・カネ」の自由な移動をできるだけ実現しようという考え方です。



特に資本移動と物の移動の自由が賃金上昇を抑制することに一役買っているのです。

企業は安い人件費を求めて途上国に生産拠点を移します。

途上国に雇用が創出され、それと同時に日本の雇用が失われます。

その途上国で生産された物が、逆輸入として日本に入ってきます。




その「」の価格は日本で生産された場合よりも安いという状態で入ってきます。

雇用が奪われて所得が低下した日本人は一円でも安い物をと、その逆輸入の商品を購入することになります。



仮に資本移動と物の移動の自由が制限がされていれば、国内で作るしかありません。

しかし、現状の生産力は限界という状態であれば企業は何をするか?




技術開発投資、人材開発投資、設備投資などの生産性向上のための投資をせざるを得なくなります。



97年あたりから日本はデフレになり、企業はできるだけ低い費用で生産することを求められ、競合他社が人件費の低い国に生産拠点を移したとなれば、競争に負けないためには自分の会社も生産拠点を移さなければとなることは必然です。


経済学でも「底辺への競争」といって問題となっているのが低い人件費を求めて企業が世界中を飛び回ることです。

途上国の人間にとっては雇用も生まれ、賃金も上がるので良いことですが、反対側の先進国では逆の問題が出てきてしまうのです。

つまりグローバリズムは賃金をフラット化させてしまう側面を持っているということです。




グローバリズムは絶対に善というのであれば価値観でしかありませんからそれも良いかもしれませんが、経済とは経世済民「世をおさめ、民をすくう」という意味で考えればグローバリズムは民の所得を減らし貧しくしているということになるので、ダメですよって話になります。

グローバリズムによって外国人投資家が日本の株式市場に参入したことによって、株主資本主義という「株主の利益を最優先に」する企業経営が主流となってしまったのです。




中小企業は社長がオーナーということもよくありますが、大企業の場合、社長は雇われです。

株主の意向に沿って経営すれば配当を増やすためにコストカットをすることになります。

コストカットで一番初めに切られるのは大抵の場合「」なのです。

何しろ簡単で、削減率は高いものですから。




またグローバリズムの影響は海外からヒト・モノ・カネが流入することも意味していますので、当然ながら供給力が上がります。


デフレとはモノの価値が下がること

日本はデフレです。需要が少ない状態です。

需要と供給は互いにバランスしています。

デフレになれば物の価格は下がっていき、一方のお金の価値は上がっていきます。

例えば、昨日まで1000円だったラーメンが500円で買えるようになった場合、1000円で2杯分のラーメンが食べられるようになったということです。

これはお金の価値が上がったということです。




逆にラーメン屋は1000円貰うために2杯分のラーメンを作らなければいけなくなります。

ここでラーメン屋が考えることは経費削減です。

利益を出すためには材料費を安くし人件費をはじめとした費用はできるだけ抑えて運営していくようになるのです。

企業がコストカットを精一杯行うことで、消費や投資が減少し、失業が増えます。失業した人間は出来る限り消費を抑えようとします。企業は価格を下げます。そうなることで利益が減ります。当然賃金は上がりません。




賃金が上がらなければ消費を減らすでしょう。

そうなると人は将来への不安からとにかく貯蓄を行うようになります。

貯蓄されればされた分だけ消費はされなくなります。

この20年以上の長いデフレスパイラルとグローバリズムの結果、企業は完全にデフレマインドに侵されました。

企業は安い人件費で生産することが当たり前になり、生産性を上げるための投資などしなくなりました。

儲からないと思えば融資を受けて設備投資をしようとはなるはずもありません。




また賃金は一度上げると簡単に下げられないという下方硬直性がるということになっていますので、企業経営者は怖くて賃金を上げられないという側面もあります。

経営者は従業員の生活も守らなければいけませんが、第一には企業の存続が最重要事項とならざるを得ないので、これ程までに企業の内部留保が高まったのでしょう。

企業が投資をしないのは儲からないからです。

何で儲からないのか?需要がないからです。

デフレの状態で需要を作れるのは政府しかありません。


政府が需要を作り法整備をすれば賃金は上がる

96年以降、政府はデフレの状態を20年以上解決できませんでした。

この20年で行ったことは、規制緩和や民営化などの供給能力を上げる構造改革です。

それによって競争は激化し、新自由主義の下で自己責任を国民に押し付けました。

そして今、財政健全化と言いながら公共投資をしない方向で進んでいるのです。




デフレ下でお金を使える者は実質的に通貨発行権を持つ政府しかありません。

政府が公共投資をするとは、建設国債を発行し、市中から資金調達をして仕事を増やします。つまり需要ができるのです。

需要が増えれば、企業は儲かると考え設備投資に積極的になります。

そうなることで企業がこの先儲かると考えれば賃金を上げる契機となります。




その際に、企業が賃金を上げたら減税、国内への設備投資をしたら減税、海外から入ってくる物には高関税を掛けるなど、要は企業が日本国内に投資した方がメリットがあると考えるような法整備をすればよいのです。

ここで必ず言われるのが「国の借金がー」です。

ノーベル経済学者のポール・クルーグマンも言っているように、日本が政府の借金で破綻することは自国通貨建てである以上はあり得ません。




我が国に財政問題など存在しないのです。




彼らは国の借金で日本が滅ぶと言いますが、私は彼らの「嘘」が日本を滅ぼずと本気で思っています。


まとめ

グローバリズム

デフレ

政府が需要を作らない

構造改革、規制緩和




という原因が大きいということはご理解いただけたかと思います。

他にも考えられる賃金が上がらない理由もありますが、大本さえわかっていれば細かい理由はブレイクダウンをして考えていけばわかるはずです。

賃金が上がり、日本人が豊かになれば日本人は勝手に外国人に優しくしますから、アメリカに51兆円を出すなんて言ってないでまずは国内からしてくれればと思うんですが…そうはいかないみたいです。

財務省が力を持ちすぎているのも問題ですが、結局は日本国民の問題であると私は感じています。

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