ドイツ移民問題の背景とはなんなのか?


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ユーロ圏の帝王であるドイツは経済的には順調であるものの、難民問題を抱え、

先日メルケル首相が「政治難民の受け入れに上限はない」と言って大量の難民がドイツ国内に流入し、結果、治安悪化などの混乱を招いたこと政策の誤りを認めました。

しかし、メルケル首相は同時に、

「人権問題として間違ったことをしたとは思えない」

とも発言しました。

ドイツ国民は激怒し言わば「それまで安全に暮らしてきたのに難民流入で治安悪化して自分達が危険に晒された。俺達の人権はどうなるんだ!」

となっています。

至極もっともな意見ですが、何故このようなことになってしまったのか、何故グローバリズムのメッカであるユーロ圏で、しかもユーロの盟主と言われるドイツでこのような事態になってしまったのかをこの記事では考えてみたいと思います。


ドイツ経済は外需依存で成り立っている

まず経済の話ですが、御存知のとおりユーロ圏は共通通貨ユーロで成立しています。

ドイツの輸出額は43%ほどで、我が国の15%と比較してもかなり高いと言えます。

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また、ドイツはヨーロッパの盟主と言われるほど財政黒字でもあるし、

財政均衡主義が憲法に明文化されている珍しい国です。

またギリシャの財政破綻問題の折でも、構造改革と緊縮財政を要求した国でもあります。

具体的には増税、年金の削減、労働規制の緩和などです。

グローバリズムの勝ち組が負け組にああしろこうしろといったわけですね。

しかし、ドイツ経済は外需に頼らないと成立しない国とも言い換えることができます。

ところで、そもそもこのユーロ圏というシステムはどのようなものなのでしょうか?


ユーロ圏はドイツのための仕組み

ドイツは2005年までは「欧州経済のお荷物」と言われていたほど、財政は逼迫していました。

失業率も11%を越えていたのです。

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輸出を継続的に拡大できるシステムを作ったのです。

輸出をする時というのは何が邪魔になるでしょうか?

それは輸出先の関税や数量制限と為替レートの変動などです。

売りたい側つまり輸出したい側は輸出先の「規制」が邪魔となります。

ドイツはこれを無くすことができれば輸出を最大化できると考えたのです。

ドイツが独自に作ったわけではないと言われそうですが、欧州中央銀行はフランクフルトにあります。

また、欧州中央銀行(ECB)は元々ドイツの中央銀行を前身としているのです。

実は、ギリシャやスペインなどの南欧諸国などはピッグス諸国と揶揄されていますが、このユーロの仕組でなるべくしてなったのです。

第一、生産性に差のある国から輸出攻勢を受けても関税や数量制限などの防御も出来ないんですから、対外純負債が増えても通貨が統一されているため、国内の貯蓄が増えないとなるのはわかりそうなものです。

そのため海外投資家から国債を買ってもらうしかないという状況に陥り、更にユーロ圏の金利競争に負けたと。

言ってみれば白帯が黒帯三段と戦うようなものです。

ドイツは必ず勝てる土俵を作ってユーロ加盟国から生産性を武器に呑み込んでいるとも言えるでしょう。

まさにギリシャがドイツの餌食となったのです。


ドイツの生産性が高い理由

生産性とは生産者一人あたりの生産する量が多いか少ないかという考え方です。

ドイツの生産性が高い理由は、18世紀に保護貿易主義を通していたからです。

当時はイギリスの製品を締め出して莫大な投資を国内に行って生産性を高めたのです。

第一次世界大戦前には既に、ドイツはイギリスの生産性を越えるまでになっていました。

有り体に言えば保護貿易をして国内に海外製品のない状態であれば需要が多くて供給が少ないという状態を作り出せます。

そこで莫大な設備投資をすれば生産性は飛躍的に向上するのです。

過去に保護貿易で生産性を向上させておいてドイツが、生産性で明らかに劣る他国に

自由貿易やろうぜ!グローバリズムは時代の流れだから!関税?ダメダメ!」

と言っているのです。

その上で自分が必ず勝てる土俵を作り他国を引きずり込んだとこういった見方が出来るのです。

ギリシャのチプラス首相が土壇場になって、ドイツに食って掛かった理由もうなずけます。

彼はドイツを卑怯だと思っていたようですし、このような事実は当然知っているでしょうから。


ドイツが難民を受け入れた理由

結論から言えば「ナチスの反動」です。

現代のドイツ人にとってナチスはタブーであると同時に消したい記憶でもあります。

ナチス政権発足当時のドイツは世界恐慌の煽りをうけてデフレとなり失業率も相当高く、1932年時点で43.3%と労働人口の約4割が失業者という状況でドイツ国民の生活は逼迫していました。

しかし、ヒトラー政権の適切な経済政策(積極財政)で5年後には完全雇用になっていました。

こうなればドイツ国民はヒトラー政権及びナチスを支持するようになるのは必然と言えます。

また完全雇用になったことでその後の戦争で負ける要因のひとつになったこともまた事実です。

経済政策に限って見ればナチス政権は良かったのですが、当時のドイツでは「全権委任法」が成立したことと「優生学」の流行があったことが今から考えると問題だったと言えます。

全権委任法とは、簡単に言うと

「憲法に縛られずにナチス政権に無制限の立法権を与える」

というものです。

イメージが無いかもしれませんが、当時のドイツであっても民主主義であり、選挙によってナチ党が選ばれたのです。

要は「当時のドイツ国民が適法に選んだ政権」なのです。

決して、暴力に訴えて独裁政権を勝ち取ったわけではありません。

更なる問題は優生学の方です。

優生学とは、民族や遺伝、個人の力では変えられないものに優劣をつけて、選民するといった考え方です。

例えば、ゲルマン民族は遺伝子的優秀であり、ユダヤ民族は遺伝子的に劣勢であるから”最終処理”をしても良いとか結婚してはいけないといった法律が作られたのです。

障害者も遺伝的劣勢であるから処理していいとなりました。

信じられますか?

恐ろしいことですが実際に行われたことです。

こういった優生主義が思想の前提にあり、帝国主義もドイツ的帝国主義と言える植民地政策となったのです。


ナチス的帝国主義

ナチス政権の帝国主義はイギリスやアメリカなどの、海の向こう側を植民地にして、現地の所得を吸い上げるというやり方が一般的な植民地政策だったのですが、ドイツは全く違かったのです。

イギリスの植民地政策の詳しい説明は以下の記事です。

帝国主義とグローバリズムは根がひとつ

第一次世界大戦後敗北したドイツはヨーロッパの東側を植民地にしようとしました。ドイツ国民も戦争で失われた土地(失地)を取り戻そうという失地回復の世論が起こっていました。

ドイツはそこで東側のポーランド、ウクライナ、ロシアなどに植民させ、現地人を”とりあえず奴隷にし不要となれば最終処理”するという横暴をしてしまったのです。

これを「東方生存圏」と言います。

こういったことがユダヤ人ホロコーストに繋がったのかもしれません。

ただ、公平を期すためにあえて書きますがユダヤ人ホロコーストがなかったあるいは、殺した人数もそんなに多くないと否定する人もいます。

ちょうど我が国がチャイナの南京事件を押し付けれている構図と同じだというイメージですね。

またナチス政権内にユダヤ人が多くいたという話もあるので、事実だとしたら優生学とは別のところに真実はあるかもしれないという可能性もあります。

いわゆるアメリカやイギリスが行った帝国主義の所得を吸い上げるシステム、簡単に言えば、貿易決済通貨を自国の通貨で決済させ宗主国は植民地の通貨を手に入れ、その通貨を現地に再投資するという言わば「帝国主義的所得循環」が主流でありましたが、ドイツの帝国主義とはだいぶ差があるように思えます。

ドイツ国民はこれらの罪に耐えられなかったのでしょう。

現代のドイツ人は、過去のドイツ人との歴史的な継続性を認めることができません。

というのもナチス政権が降伏した日、つまりベルリンでロシア赤軍に落とされた日を

「自国民がナチスから開放された日」

とワイツゼッカー元大統領は1985年5月8日ドイツ連邦議会にて演説しています。

これはあまりにも有名な演説です。

先ほど書きましたがナチス政権は当時のドイツ国民が民主主義を通じて適法に選ばれた政権であることは間違いありません。

しかし、このように説明しなければドイツ国民は罪の重さに耐えられなかったとの説明がつかないのです。

我が国でも戦後似たようなことがありました。

東条英機が悪い」「軍部の暴走があった」「日本国民は日本軍の被害者である」など、GHQの占領政策の一環ですが、このような風潮があったことは紛れもない事実です。

私はどう考えても「ドイツ国民がナチスに罪を全て負わせ、一般国民は被害者ヅラしている」としか思えません。

戦後日本人も同じです。

誰かに責任を押し付けて自分が楽になるという考え方を持つ人は日本人でも多くいますが、私は、この考え方は間違っていると思います。

我が国もドイツも当時、民主主義だったわけですから。

これらナチス政権時代の反動で、「ルールを守る」という意識がドイツ人の中で醸成されました。

こんな話があります。

ドイツのアウトバーンは速度制限のない高速道路ですが、そこに時速100km制限の看板を立てると

誰もが時速100kmに落とすという話です。

何が言いたいかというとドイツの意識としてルールを守っているということで幸せを感じる人達だということです。

ルールを守って幸せを感じる人間は自分を正しいと思います。

しかし、2015年だけで150万人もの移民を受け入れたことで、

「ルールを守っている自分たちが何故、外から来た移民や難民の犯罪を受け入れなければいけないのか」

と思うことでしょう。

ルールという枠の中でしか物事を判断できないということは、裏を返せばそれまでのルールを越えるような事態になった時に対応不能の状態、パニック状態にも似た状態になります。

そんな状態になった時、彼らはどうするのか?

敵を見つけます。

それが難民や移民に向いて移民排斥の運動に繋がっているのです。

逆に低賃金労働者が欲しい企業側は移民賛成の立場になっていることから、

一般のドイツ国民は利益至上主義のグローバル企業に対しても敵意を向けてしまいます。

このような歴史の背景が現在のドイツの移民問題と繋がっているのです。

世界はアメリカ大統領選挙でもわかるようにグローバリズムvsナショナリズムという構図の戦いが繰り広げられています。

我が国ぐらいです。右も左もグローバリズムという、グローバリズム絶対といった信仰とも言える状態になっている国は…


「今日の言ったる!」

我が国に移民が多くなれば、実質賃金は減るし、治安は悪くなるし、文化や伝統も壊されるし、私達と同じように天皇陛下を敬うとはとても思えません。

もちろん旅行ぐらいならいつ来てくれても構いませんよ。

私はアメリカ人やナイジェリア人、バングラデシュ人など様々な国籍の方と知り合いですし、お友達もいます。

彼らは、他国に来ているということをちゃんとわきまえてくれますから。

また日本人も一部の他国も日本やドイツは反省しろと言いますが、私は反省などすべきではないと思っています。

唯一反省すべき点は、「戦争に負けたこと」以外ありません。

戦争に勝っても、間違っていることは間違ってるし、正しいことは正しいはずです。

戦勝国が武力と謀略によって作り上げた歴史と風潮に従わなくていけないのであれば、私は命の尽きるまで抵抗すべきと考えております。

それが、2700年続く我が国を守ってきた先人たちが行ってきたことですから。

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