安さを売りにするビジネスが社会を壊す

我が国はバブル崩壊後、橋本政権の金融ビッグバン、消費増税を経て、デフレとなり「100円均一」「安い、うまい、早い!」、「業界最安値」など、いわゆるデフレビジネスが登場しました。

インフレから一気にバブル崩壊によって資産価値が暴落し、社会の大多数の人間は得た所得の大部分を借金返済に充てがい、可処分所得が減少している中、外資に金融市場を開放し、消費増税も行われたとなれば、生きていくために、「安いもの」に飛び付くようになるのは当然です。

企業も個人も「安いもの」に飛びつくようになったために、工場を海外に移すといった「生産拠点の移動」をはじめました。

理由は1円でも消費者に安く提供するために他なりません。

人件費の安い国」で生産し逆輸入し、消費者に購入させる。

そして、工場の移転先の国は肥え太り、日本の脅威という立場になりました。

一時の安さを求め、敵に塩を送り続けた挙げ句、自分の首を締めるという目も当てられない事態になっているのです。

こういったビジネスが現在も長続きしている原因は「現在がデフレだから」に他なりません。

デフレとは「物よりもお金の価値のほうが高い状態」を指し、総需要の不足という言い方もできます。

一部の業界では、人手不足ということになっていますが、そういった状態でも安さを追求するような業態が後を絶ちません。

因みに人手不足という状態は、基本的に「インフレ」を加速させます。

AIやコンピュータ技術の発達で人間が必要ないという場合も一部ではありますが、例えば、医療、建設、運送、介護、サービスといった分野で人手不足が起きていて、そういった業界では賃金は上昇する傾向にあることはご存知のはずです。

デフレ、人手不足、グローバル化、技術発展等、様々な要素が賃金上昇を阻み、またこれらに則したビジネスモデルが成立しているところに、格差問題の原因の一端が存在する可能性があります。

この記事では「安さを売りにするビジネスが社会を壊す」と題してこのテーマを考えてみたいと思います。

日本は未だデフレである

我が国はデフレーションを維持しています。

消費税が上がれば消費を減らします。

銀行が国債を購入し続けるということは、企業が金を借りたがらないということです。

全銀協

都市銀行は貸出を増やしているように見えますが、地方銀行は急激な下落を見せています。

私は我が国の官公庁が発表する経済指標やグラフは、森友事件の公文書改ざん事件から一切の信用をしないことにしました。

更に最近では、以下のような事件も起きています。

家計保有額、30兆円以上過大計上 日銀

エリートが30兆円を過大計上することなどあり得ません。

これは確実に故意に行われた事件でしょう。

後追い報道もなければ、誰も追求されていません。

別に官公庁のデータを引用するまでもなく、我が国がデフレであるということは、社会を観ていれば容易に判断できます。

「子持ちの家族が贅沢をしようとしているか」

 

「賃金が上がったか」


「可処分所得が増えたか」


「婚姻は増えたか」


「出生率は上昇したか」

といった確認で把握はできます。

本当に中国の経済成長率が毎年7%前後であることが捏造だとか言えなくなってしまいました。

現実問題、デフレ脱却できているのだとしたらこれらの項目は改善の方向に向かうはずです。

実際にそうであれば、現政権はこれみよがしアピールするでしょうが、しないところを見ると何も気にしていないか、改善していないと見るのが妥当と言えます。

仮に賃金が上がっても増税で可処分所得が減少していればデフレ脱却とは逆の方向にむかうことでしょう。

賃金だけを見ても判断できませんし、所得だけを見ても判断できません。

政府の出す数字も信用できないとなれば、判断の基準は自分の頭しかありません。

いずれにせよ、インフレ率もろくに上がってないようなのでデフレであることは間違いありません。

安さで勝負=削り合い

デフレであることが間違いないのだとしたら、企業は当然これまでと同じように「コストカット」を追求します。

例えば、安さを売りにする飲食店はどのような方策を取るでしょうか?

大抵、以下の選択肢を考えます。

「人件費の削減」

 


「配送費の削減」

原材料の削減」

 

「価格を変えず提供する量を減らす」

「その他あらゆるコスト削減」

そもそもというところで考えていただきたいのが、このようなビジネスが存在して誰が喜ぶというのでしょうか?

誰も幸せにしないビジネスがデフレビジネスの特徴です。

消費者は安くて喜ぶという反論もありますが、消費者は自らの所得からその安い店を選択している生産者でもありますので、無かったら別の安い店に行くだけですので、なくても誰も困らないのです。

しかし、安さを売りにする飲食店同士は競合となり、削り合いで利益を確保しようとします。

当然、コスト高を価格転嫁するというビジネスの大原則を踏みつけ、そのコストを”法を犯してでも”削るという活動をしがちになります。

そうだとしたら、その飲食店やその飲食店を運営する企業はどのようになるでしょうか?

必ずブラック企業と化す

結論から言えば、必ずブラック企業となります。

以前、すき家や温野菜のブラックバイトや電通の長時間労働が問題となりました。

 

 

 

 

 

 

などなど、挙げればキリがありません。

なぜブラック企業となるのかと言えば、その理由は

「需要がないから」

です。

需要がない、需要は限られていると、経営者が判断した場合一番手っ取り早く利益を確保できる方法は、「コストを削ること」となります。

そりゃそうです。

需要がないという状態では、組織のトップである立場を利用して部下や格下の経費を削減した方が、合理的ですし、何より「簡単、楽」だからです。

部下を怒鳴ったり、脅したり、恐怖を以てコントロールします。

洗脳が行われる意味〜具体的手法〜

そうすることで、従業員は萎縮していき、

「怒られなように仕事をする」

ようになります。

上司に怒られないように上司の前では、自分より下の立場の者をポーズを取るように怒ってみせたり、半ば刑法上の罪ですら強要する場合もあります。

そのようにブラック企業の企業の従業員は、モラルや道徳、消費者への誠意すら忘れ、単なる犯罪集団へと成り下がります。

このように安さを売りにする飲食店は存在しないほうが、実は社会にとっては良い場合もあるのです。

削られるところとは?

コスト削減として削られるコストの代表と言えば

「人件費」

となります。

自社の従業員はもちろんのこと、外注の業者のコストも叩き続けようとします。

この場合、今後狙われるのは「業務委託」という契約形態です。

こういったブラック企業は「業務委託契約」という契約の内容、意味、定義すら理解していません。

感覚としては、派遣やアルバイトの非正規雇用ぐらいの認識しかないことが一般的と言えます。あくまでブラック企業の認識ですが…

とは言え、上場企業ですら業務委託契約のなんたるかを把握していない場合もあるので注意が必要です。

先日、高度プロフェッショナル制度が可決し、更に、働き方改革と称する企業の人件費削減が政府主導で行われました。

明らかに大多数の日本国民のことなど、とことん知ったことではないという姿勢です。

雇用契約にあるものを低賃金で働かせないなら、業務委託を酷使して低賃金で働かせようという魂胆が見え見えなのです。

業務委託は「偽装請負」として行われることが頻繁にあります。

もし、業務委託契約を結んでいるのにもかかわらず、以下の実態が存在するのであれば、それは偽装請負の可能性がありますので、確認してみて欲しいところです。

「現場で元請けから指示、命令がある」

 


「受託者の裁量権がない」

「時間を元に報酬が設定されている」

これらにひとつでも該当していれば、偽装請負の可能性が高くなります。

参考:業務委託契約書とは

こういったコンプライアンス意識の低い企業を相手にした場合には、コンプライアンスを盾にした改善要望とそれに下請法や公正取引法をプラスした上で行うことで改善される可能性が高くなります。

公正取引法

下請法の概要

外国人労働者

更に、安さを売りにするビジネスモデルは大抵の場合、

外国人労働者」を雇い入れています。

一般研修制度で日本に来た外国人や留学生を脱法的に働かせている場合すらあります。

私の人生で観たものですので、多分に主観的要素が含まれますが、彼らは制度を利用し、日本で所得を稼ぎ、それを母国の家族に送金して家族を養っていたりします。

日本人と比べて幸せのハードルが低いことを良いことに、最低時給以下の低賃金で働かせてる場合すらありました。

グローバリズムのおかげで一般の日本人は賃金が上がらなくなるという背景にはこういった事実が存在するからです。

低賃金労働を企業が求め続ける限り、このブラック企業問題や我が国で言うところのデフレビジネスの問題は無くならないでしょう。

まとめ

「安さを売りにするビジネスが社会を壊す」

という意味をご理解いただけたでしょうか。

ブラック企業化した企業の従業員は得てして世間で言うところの「真面目な人」が多いものです。

しかし、私はこういった人達を単なる「性格的に弱い人」として軽蔑しています。

この人達は、自分が真面目な人間だと思い込んでいますが、ただ、「他人とぶつからないようにしているだけ」で、真面目とはかけ離れた人間なのです。

言い方を変えれば、「反発」ができない人のことです。

理不尽な目にあっても、自分の考える倫理や正義、価値観に反する目にあっても、それを主張せず、言われたことをモラルや法を犯してでもやり続ける恐ろしい恐ろしい連中なのです。

かつて、ナチス・ドイツにアドルフ・アイヒマンという人がいましたが、そのようなものなのかもしれません。

アイヒマン実験ともミルグラム実験とも言われる服従の心理を視覚化した実験が行われていますので是非ご覧になってください。

ミルグラム実験

世界を震撼させた驚愕の心理戦『ミルグラム実験』とは

服従の心理ー書籍

本当に真面目な人なら、「こんなことはよくない」、「やってはいけない」、「やめましょう」と相手とぶつかってでも正義を追求するはずですが、我が国の場合、それを言う人間は、「秩序を乱した人間」として弾かれ、疎まれ、パージされるというある意味、最低の国なのです。

社会では、他人と勝負する事や対決することなど当然のように行われていますが、それを回避するという選択をした人間が「真面目」と表現されるのです。

したがって我が国で言う「真面目な人」とは、

「奴隷」のことです。

雑談

そう言えば、安倍総理の事務所は過去に暴力団関係者に選挙期間中に対立候補のネガティブキャンペーンを依頼したという事実が発覚し、山本太郎議員に追求されました。

安倍事務所が暴力団に通じる人物に選挙妨害を依頼していた決定的証拠! 「安倍代議士に選挙妨害を報告」の記述も

安倍事務所が暴力団に通じる人物に選挙妨害を依頼していた決定的証拠! 「安倍代議士に選挙妨害を報告」の記述も

 

 

 

一年ほど前から噂になっていたような気がしますが、最近国会議員から追求されたようです。

ひどいのは、一国の総理大臣が反社会的勢力と関係していたことが発覚し、嘘を付きつつ移民を大量に受け入れ、食料、水、カジノ等挙げればキリがありませんが、ここまで売国行為をしても、批判できない根性なしのネトウヨや安倍応援団の言論人です。

保守を名乗っておきながら、恥も知らず、我が国を汚し続ける売国共同体が彼らの正体です。

彼らにとっては保守とはビジネスのことです。

山本太郎議員が一番マシに観えるってどれほど腐っているんでしょうかこの国は。

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