キャッシュレス化は倫理道徳を数値化する〜超監視社会へまっしぐら〜

キャッシュレス化は倫理道徳を数値化する〜超監視社会へまっしぐら〜

最近やたらと電子マネーが持て囃されています。

なぜか「現金」を使うことが非効率、不経済、不便というイメージを持たせながら。

キャッシュレス化にしてもマイナンバーにしてもICチップにしても、いつも使われる言葉は「便利」と「お得」いう言葉です。

キャッシュレス化、ビッグデータ、マイナンバー、ICチップなどが、一般大衆にどのような影響をもたらすのでしょうか?

また、これらのことでどのように社会が変わっていくのでしょうか?

この記事では、「キャッシュレス化は論理道徳を数値化する」と題して、これらのことを考察してみます。

現金の匿名性

まず「現金」と、「電子マネー」の違いを明確にします。

現金はその名の通り、お金、法律上(法律上の貨幣はいわゆるコインです)の通貨そのものです。

通貨と定義されるものとしては、

「紙幣、硬貨」

「銀行預金」

「小切手」

となります。

この中で個人が使うものとして、多いのは圧倒的に現金でしょう。

現金の特徴としては、

「物理的に存在する」

「匿名性」

「日本国内でどこでも使える」

といった特徴があります。

一方電子マネーの特徴は、

「現金やクレジットと交換して得られる通貨」

「そのポイントが使えるところでのみ利用できる」

「現金を必要としないので決済が便利且つ早い」

といったものがあります。

現金にしても電子マネーにしても、物やサービスを購入できることには変わりません。

しかし、この両者の一番の違いというのは、

「匿名性」

にあります。

例えば電子マネーを利用する時に、店舗や、購入したもの、金額、行動範囲、利用日時等が「記録される」ということです。

対して、現金についてはそれはありません。

紙幣にもICチップはついていますが、誰が持っているかどうかは把握することができません。

ではなぜ企業はこれほどまでに電子マネーを推奨するのでしょうか?

一般大衆の個人情報を一元管理の目的がある

ご存知かもしれませんが中国は既に、いわゆる「ビッグデータ独裁」、「デジタルレーニン主義」と呼ばれるように、ビッグデータでの一元管理を行っています。

習近平氏、「ビッグデータ独裁」の中国目指す

中国の「監視社会化」を考える(5)──道具的合理性が暴走するとき

日本は中国ほど監視社会化が進んでおらず、そのために電子マネーを推奨し、徐々にマイナンバー、社会保障、税金、銀行口座、給料支払、顔認証、指紋、網膜、などの各個人のデータを一元化し、体内インプラントICチップで管理することを目論んでいるのと推測できます。

日本と中国は、RCEP、FTAAPなどの貿易協定で市場の統一化を図っていることから、それら貿易協定を交わすに当たり、日本の監視システムはより強化され、中国の水準に合わされれていくと考えるのは、現状の日本外交を観ていれば自然なことと言えます。

スーパーシティ構想と国家戦略特区

政府の進める「スーパーシティ構想」というものがあります。

「スーパーシティ」構想について

この資料を見ていただければわかりますが、要はこれは

「国家戦略特区に中国水準の監視社会の実験区域を作る」

ということになるのだと思われます。

第3回 「スーパーシティ」構想の実現に向けた有識者懇談会 配布資料

このスーパーシティ構想の旗振り役、座長は「竹中平蔵」氏です。

「スーパーシティ」五原則(たたき台)

そして先日、安倍総理が、「デジタルガバメント」という言葉を使っていました。

「デジタル・ガバメント」実現へ 安倍首相

このデジタルガバメントも経済財政諮問会議を通した財界の要請です。

現代世界はビジネスの論理で動いている

国家を支配する財界~スピン報道と与野党グル~

あらゆる情報をひとつのデバイスに集約

キャッシュレス化を進める背景にはこういった財界の目論見が存在します。

最終的にはこのスーパーシティ構想を実現させ拡大していくつもりなのでしょう。

そうなったときに、そのスーパーシティでの人間は、すべての個人情報を政府に管理され、かつ超近代的な監視システムの中で「檻の中の自由」を謳歌することになります。

その世界ではおそらく「道徳、倫理の数値化」 が行われるはずです。

現在でもあるのが犯罪予測システムですが、これを複合、進化させたシステムが「犯罪予測システム」と「信用スコア」の合体です。

「AIが犯罪を予測する世界」が危険なワケ (1/5)

日常生活に影響あり? 「信用スコア」の実体

犯罪予測システムと信用スコアの合体によって起こることは、道徳、倫理の数値化です。

つまり、その機能を持った監視ロボットが、各個人の各データや心理状態、ICチップから受け取る様々な情報を、判断しそれが「数値化」されます。

それは金融などの信用情報だけでなく総合的な個人の「信用スコア」として数値化されることになるでしょう。

ある一定の基準、数値を満たせない人間は、「収容」されることもあれば「処理される」ことも考えられます。

ジョージ・オーウェルの1984年よりもよっぽどディストピアですが、果たしてキャッシュレス化を入り口に監視化は進んでいくのでしょうか。

しかし、総務省のIOTサルベージ法案やスノーデン氏のエックスキースコアなどの事実を観ると「さもありなん」といった印象です。

まとめ

まとめると

「キャッシュレス化は監視社会システムの入り口」

 


「日本は中国の監視システムを日本に導入しようとしている」

 


「道徳倫理は数値化される」

便利やお得という言葉を政府や企業が使う時必ずなにかの意図が存在します。

デフレ不況に長く苦しむ日本人はとにかくこのお得という言葉に弱いのです。

便利やお得ということと引き換えに人間の尊厳まで失うようなことがあってはならないと思いますが、それももう難しいのかもしれません。

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