個人の力の増大で変わる世界

現代はテクノロジーの発達、主にITの発達(インターネット、SNSなど)によって個人が社会に対して影響力を発揮してきているように見えます。

企業に対するクレームもツイッターで拡散されてとんでもなことになると、企業の広報担当者も戦々恐々としているといいます。

個人の力が増大することそれ自体は基本的には良いことに思えます。

民主主義的にも良いし、自分の人生の決定やその力を活用して自己実現していくといったことです。

しかし、別の側面から見るとまた違った見え方になり、このこと自体が大きな危険も孕んでいる可能性があるので今回の記事で書いてみたいと思います。

なぜ個人の力が強まったのか?

これは冒頭にも書いた通り、インターネットやSNSなどのITテクノロジーの発達により、個人が非常に多くの情報にアクセスすることができるようになったことがあげられます。

更に、それまで地上波やラジオ、新聞などで情報を得ていた世代もインターネットからの情報にシフトしたことと、朝日新聞社の長きに渡る捏造記事、いわゆる従軍慰安婦問題など

で大手メディアの信頼が薄まっていることも無視できない事実でしょう。

更に、これはあまり良い影響とは言えませんが、個人が「メディア」を持てる時代になったということが大きな原因だと私は観ています。

個人がメディアを持つとは、ブログ、ツイッター、YouTube、Facebookなどのツールが「情報発信装置」として機能して、更に無料ということで個人が手軽に情報の発信と受信が出来るということです。

このブログも情報発信として非常に役に立ってくれています。

個人がメディアを持つと、当然声がでかいものが必ず出てくること、注目を浴びたいという目的で非常識な行動を取る人間も出てきます。

その目的は、「」や「自己顕示欲」であることが少なくありません。

YouTubeは稼げると喧伝し、いかにアクセスを増やすかということを考え、その過程で人と同じことをやっていてはダメだと思ってとんでもないことをしでかす人もいるのです。

最近ではチェーンソーで宅配便の配達員を脅したというニュースがあったばかりです。

ただただ、質の高い情報(おもしろい、役に立つ等)を視聴者に与え続けるだけでいいのですが、その情報が視聴者に届くまでは始めたてでは中々届かない為に、すぐに結果の出る方法をと、このような行動に走る輩が現れるのです。

これは教育とも関連しますが、学校教育では教わらない情報がインターネット上にはゴマンとあり、義務教育の中で教える道徳や倫理、常識が育まれていないということの証左でもあると言えます。

一言で言えば、やって良いことと悪いことの区別がついていないということとその基準がグローバル化の波や、教育の質や多寡でぶれてしまっていることです。

もちろん全ての行いを清廉潔白にすることは不可能なことですし、それをしてたら企業はおろか個人の生活も破綻してしまうことでしょう。

私自身、人に説教を垂れるほど聖人君子ではありません。

つまり「バランス」、「ほどほどに」ということが重要なことだと考えています。

お金を稼ぐという動機からはこういった側面が見えますが、ただSNSに投稿するだけの人もいます。

特に考えもせず、何となくある商品や飲食店などで思ったこと感じたこと、不愉快だったことを書くだけでそれが何万人にも拡散されていきます。

その時に一番最初に投稿した人はこう思うことでしょう。

「自分が社会を動かしている」

これははっきり言って快感です。

それまで普通に暮らしていて何となくSNSに投稿してみたら社会問題化して大手メディアに取り上げられるなんてことになれば、生活は一変したように感じられるはずです。

もちらんある程度の正義感とか、世の中に真実を広めようとかそういった動機も何割かはあるかもしれません。

これまで人類の歴史の中で大衆(一般の個人)が力を持ったことはありません。

しかし、インターネットの出現とIT技術の進化によって、「知ること」がいとも簡単にできるようになったことで、ある意味では不幸な社会、知らなければ幸せだったということも起こりやすくなったのです。

私個人は「知らない幸福より、知っている不幸」を選ぶタイプの人間のようです。

個人の力が増大することによる社会的影響

以上で述べてきたように、現代は個人の力が増大している時代です。

このような影響からひとつ以下の様なことが発生する可能性があります。

世界全体の中間層が増えること

国家の国民の統治が極めて難しくなること

国家、政府に対する批判が高まり暴動が革命が起こる可能性が高まること

最低でもこれら三つの懸念は生まれるはずです。

世界全体の中間層が増えること

中間層が増えること、中間層の定義もありますがより厳密に言えば所得ではなく一人あたりの消費額で定義されます。

定義によって中間層の規模は変わりますが、EUの予測では2030年までに40億人になると予測されているということです。

この予測は一番大きな予測ですから、恐らく外れるとは思います。

というより人口増加予測が当たった試しがありません。

一応2030年までに世界の中間層の人口増加が現在の10億人から、下は20億人、上は40億人と予想されているということです。

予測が当たるかどうかは問題ではなく、増えた人口で起こる問題が「食料問題」だということです。

世界人口の中間層の割合が増えていくとしても貧困は恐らく無くならず、中間層が増えたことで食料の消費も増大するということです。

これは非常に由々しき問題です。

平たく言えば、貧困層が中間層の生活水準になることそれ自体は大変喜ばしいことのように思えますが、その規模が大きければ現在の中間層が相対的に、貧困層にシフトしてしまう可能性が高まるということです。

これは格差が拡大している現在の我が国やアメリカでも発生していることです。

経済の面では、企業が安い人件費を求めてグローバルに移動し、より賃金が安く済む国を選び生産することによって、生産される国で雇用された人の所得は増えるものの、逆に言えばその企業が日本の企業だとすれば、日本の雇用が「奪われた」という意味になるのです。

底辺への競争」と言って経済学で問題になっていることでもあります。

この結果、中間層が貧困層にシフトし定義上の中間層が増え、食糧問題が発生するということになります。

しかし、現状の完全失業率は3%代とそれほど高い数字ではありませんがこれの主な原因は生産年齢人口比率の低下がもたらした結果です。

これはデフレによる少子高齢化という問題が作り出した言わばイレギュラーな事態なので、とりあえず良かったねと言うことは出来ると思います。

関連して実質賃金の低下という問題はありますがそれは別の機会で書こうと思います。

恐らくですが、世界の支配層による人口削減計画といった勘ぐりはこういった予測が原因なのではないかと私は考えています。

それに付随して医療問題や保険問題、遺伝子組み換え作物の販売などの問題も絡めれば、その勘ぐりは少なくとも「当たらずとも遠からず」といった結果になることでしょう。

政府や企業などの支配層に対するこの程度の勘ぐりは、性悪説で観れば正常なレベルかと思います。

国家の国民の統治が極めて難しくなること

二つ目の国家の国民の統治が極めて難しくなることですが、これは、個人の知識量がインターネット経由で爆発的に増えることによって、政府の嘘や誤魔化しが通用しなくなるという点です。

インターネット経由と言っても、ウェブページだけでなくAmazonや楽天などのネット販売サービスを利用し、自分の欲しい本や映像などを手に入れることが出来るという意味も含みます。

現在は購入履歴から、こちらがオススメですと消費者の興味がある商品を薦めてくれます。

便利になったことで、国民が賢くなる可能性が高まってしまうという統治者にとって不都合な現実が突きつけられているといった現状なのです。

現実、政治に興味がある人や真実を知ろうという人は、WGIPの影響により多くはないですが、ひとりひとりが知識をつけそれを拡散することで絶対数は増えていき、それが大衆となりセンセーショナルな事態になることも予想できます。

だからこそ、現在は自由度が高い方と言われる我が国のネット検閲レベルを強化しようという政府の方針は合点がいくのです。http://blogos.com/article/46360/

イランや中国、キューバ何かと比べれば全然マシだとは思いますが…

キューバはFacebookにもアクセスできませんので。

国民の知る権利と国家権力は未来永劫相容れないということです。

国家、政府に対する批判が高まり暴動が革命が起こる可能性が高まること

とありますが、二つ目と関連しています。

正に支配層が一番懸念していることはこれではないかと思われます。

二つ目に挙げた現代技術によって知識を付けた大衆が暴動や革命を起こせばそれは支配層不都合に決まっています。

言ってみれば権力対民衆の対決レベルがかつてないほど高まっているために権力側が頭を抱えているということです。

ズビグネフ・ブレジンスキーは以下のように発言したとされています。

仮にこの発言が事実でないとしたところで、これを”事実と判断した”大衆が怒らないと言い切れるのか果たして疑問です。

いつも言っておりますが「情報操作に事実は重要ではない

のです。

私自身は当然事実を元に記事を書いてますが、私のインプットする情報が仮に情報操作によって改竄された情報だとしたらと考えたら、夜も眠れなくなるでしょう。

私は出来る限り事実を伝え、その事実から導き出される「真実」は読者に任せようというスタンスでいます。

しかし、私はもう支配層の情報操作に騙されて煽動されたくはないのです。

そのときどきの私の決断は間違うかもしれませんが、常に自分の頭で考えることが大事だと私は考えています。

話が逸れましたが、こういった動画の情報を大衆が受け入れ、真実だと思い団結すれば、革命、暴動、少なくともデモの頻発が予想できます。

ある一人のリーダーが出現し、大衆を煽動しムーブメントが起こる可能性は否定できません。

因みにムーブメントの起こし方は以下の動画で詳しく説明されています。

このような情報も簡単に手に入る世の中は、時代はある意味恐ろしく感じます。

しかし、適当に平和だったら良いと思っているだけでは許されない時代となり、またそのような幻想を抱いている時、気付かないうちに”奪われていく”ことになってしまうのです。

以上三つはほぼ確実に起こるだろうと懸念されている事項です。

まだ他にも想定できる事態は多くありますが、ここでは書かないことにします。

是非、あなたの頭で考えて行動をしてください。

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