先日タクシーに乗りました。
現実の景気のことはタクシードライバーに聞くのが良いとよく言われます。
実際にタクシーに乗ったときは必ず景気のことを聞いているのですが、去年1年間約100回ほど乗ったはずですが、誰一人「景気が良い」と言った方はいませんでした。
私の周りにも個人的に成績を上げて報酬が上がったという人がいるくらいで、軒並み悪くなっています。
私は自営なので関係ありませんが「働き方改革」といった政策のために”残業ができなくなり”それまで貰えた賃金が減り、休憩が取れなくなったり、業務終了後に残りの業務をしたり、家に持ち帰ったりしなくてはいけなくなったといった話も聞きます。
結果として、名目の労働時間が減ったが持ち帰ったり、退勤をしてから業務をしたり、また、残業代ができなくなって所得が減少、するべき業務の量は変わらないために休憩も取れず負担だけが増えたといったことになったという人もいました。
働く時間が減って所得も下がったから副業を始めたという本末転倒な話もありました。
結局のところ、全体として企業が労働者に支払う賃金が減少すればよいという話になってしまったのがこの働き方改革です。
この働き方改革法案と移民政策はセットです。
しかし、こういった議論の中でよく言われるのが、
誰でもできる仕事だから仕方ない
誰でもできる仕事だから”給料が上がらない”
誰でもできる仕事だから”手に職をつけなければ”
誰でもできる仕事だから”待遇が悪くてもしょうがない”
誰でもできる仕事についたんだから”個人の自己責任”
といった論調です。
ちょうど以下のような感じです。
君の仕事がどれだけつらくても、
誰にでもできる仕事であれば給料は上がらない。@tabbata 田端慎太郎さん ブランド人になれ! pic.twitter.com/rddWTn5fp9— このみん@暇人界の神(労働時間2時間) (@konomin_9_18) 2019年1月3日
以前、堀江貴文氏が「保育士の給料が低いのは誰でもできる仕事だから」と言ったことで炎上していたことがありました。
経営者、特にIT系の経営者と意識高い系、自己啓発好きの方は妙にこの論説を支持しています。
こういう人たちには、「バカとは付き合うな」と言う人たちが多いのですが、見方を変えると、バカと付き合うなという主張して、その主張に「共感してくれるバカから」お金を貰うといった構図も観えるのです。
一言で言えば、
「”バカは自分をバカじゃないと思っていること”利用したビジネス」
ということです。
おそらく、バカの定義を、
「利益にならない者」
としているのだと推測できます。
となると、逆に考えれば
「利益になる者=頭いい」
ということになるのでこういった人間が増えていっても社会は荒んでいくだろうと思うところではあります。
こういったことを考えていたので、
「誰でもできる仕事で給料を上げるにはどうすればいいのか?」
ということを考えてみましたので参考にしてみてください。
いわゆる「誰でもできる仕事」の給料が低い原因
目次
原因として考えられるのは以下のものです。
産業構造
中間搾取(下請構造)や株主資本主義による労働コストの削減要請の強化されていること
デフレ
物価が下がっていく状態が維持され続け、デフレの長期化が全体の意識としてデフレマインドと呼ばれる「安さが第一」という意識が定着したこと
グローバリゼーション
一般研修制度による低賃金でこき使える外国人労働者の増加
と海外から安い製品が入ってくることによるデフレ促進圧力が働いたこと
組合が機能していない
労働組合が存在していても長期に渡って運営され続けると、組合幹部は企業側の懐柔や買収等が行われ、その結果団体交渉がプロレス化、出来レース化してしまうこと
労働者に取引意識がない
労働者が「自分は働かせてもらっている」という意識を強く持ち企業に対して労働基準法を背景とした「労働契約」を締結しているという自覚がないこと
といったことが挙げられます。
個別の産業や職業について例外はありますが、概ねこういっった原因が支配的です。
誰でもできる仕事だから給料が低いわけではありません。
これらの原因をひとつ、あるいは複数解消すれば必ず給料は上がります。
「保育士は誰でもできる仕事」という発言をした堀江貴文氏の意図は恐らく違うところにあるのだと思いますが、要は、誰でもできる仕事とは、
「”それなりに代わりがいる”仕事」
あるいは、
「その仕事が自分以外の人に、できる人がいること」
ということなのでしょう。
彼ら系の人たちは基本的に個人主義で考えていますし、グローバリストですし、努力をして今の地位にいる人達なのですから、
「死ぬほど努力をして、自分にしかできない仕事をしろ」
ということが言いたいんだろうということです。
しかし、誰でもできる仕事をしている人たちがいるから、誰もが不便なく生活できるという側面は確実にありますし、そういった仕事ほど社会を成立させる上で最も重要な仕事である場合が少なくありません。
現実には、誰でもできる仕事は世の中に存在しません。
人間の生活で絶対に必要な産業である「衣食住」に関わる人の末端の労働者の給料が低いのは何故でしょうか?
私にはこのような背景があり彼らのような思想(新自由主義)が社会に蔓延させたからだと考えています。
参考:新自由主義と共産主義の作り出す未来〜優生学は現代に存在する〜
どうすれば給料を上げられるのか?
まず過去に書いた以下の記事を参考にしてみてください。
これに沿ってやれば基本的にうまくいきます。
主に「団体交渉と戦略立て」ですが、簡単に言えば、
「適法に企業が困ることを一番困るタイミングでやる」
ことです。
やってくれなければ経営者の地位や所得、面子、世間体などが犠牲になるので経営者が一番価値を置いていることを見極めてそこを突けば良いです。
もちろん経営者のリサーチはしっかりやっておくべきです。
人がいないとされる今こそチャンスです。
まとめ
これらのことを踏まえて的確に実行すれば、簡単に給料など上がるのです。
私はこれから外国人労働者の給料も上昇していくと考えていますし、彼らは日本人よりも契約意識が高いので自分を貶める相手には冷酷にできることは想像に難しくありません。
私はどんなことでも基本的に「落とし所」というものがあると思っています。
現在の極端な企業支配の構造を是正しなければまた社会は荒み、企業にとっても不利益なことになるのでどこかで止めなければいけません。
あまりにも現在はひどすぎます。
ご挨拶が遅れましたが、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
今年よりも去年の方がマシということになるであろうと考えていますが、とにかくできることをやるしかないですね。
TPPが発効され、2月にはEPAが発効されます。
そしてRCEP、TTIPときて最後はFTAAPとなります。
マスメディアは絶対にまともな報道はしません。
しても必ず事後的になります。
政治家もマスコミも有識者も権威も全て、財界が支配できる体制が整っています。財界の頂点は銀行です。