マスメディアは「議題」を社会に設定する機関である

当ブログではマスメディアについて言及している記事が多くありますが、本来マスメディアというものは「大衆統治のツール」ではないということをお伝えしたくマスメディアの批判記事を書いてきました。

しかし、これは裏を返せば現在マスメディアが大衆統治のツールと化していることを意味しています。

言うまでもないことですが、マスメディアは間接民主制を採用している我が国にとって、投票における判断の要素となる情報を得る重要なツールです。

通常、一般国民は日々の生活の中に政治に対し、リアリティをもって観ることはさほどありません。

だからこそテレビや新聞というツールは一般国民が間接的に政治に関わる入り口となるものなのです。

ところが、現状マスメディアというものは、「郵政選挙」とか「増税選挙」といったように、テーマ、議題を設定するという作用が主であるといことになってしまっています。

なんの根拠もなく、選挙の「議題(アジェンダ)を決定しそれに賛成するならここ、反対ならここといった誘導をしているに過ぎないのです。

この記事ではマスメディアが現実に行っている役割について考えてみたいと思います。

大衆はマスメディアの力の入れ様で問題の重要度を測る

基本的に人間は、メディアからの情報を受け取ると概ね以下の順序の心理効果が生まれます。

1 認知(知る)

2 情報(何を知っているか)

3 態度(肯定的か否定的か)

4 行動(社会に対しどう表現するか)

 

マーケティングで使われるAIDMAの法則に似ていますので、マーケティングとの関連性を確認してみてください。

顧客が感じる「安い」「高い」の基準とは?

マスメディアが提供する情報を、視聴者や読者はどのようにその情報を受け取るのでしょうか?

もっと言えばマスメディアが与えた情報から「何を学んでいるのか?」ということです。

もちろん、様々な社会問題や事実、出来事を知ることもそうですが、更に重要なのは

「報道される争点や話題がどの程度の”重大な問題”かをマスメディアの力の入れ具合から学ぶこと」

 

だと言えます。あくまで一般的にです。当ブログを読む方はまた別の見方をしているはずです。

最近の例で言えば、「相撲の話題」、「芸能人の不倫」、「スポーツの話題」などがそうでしょう。

相撲の話題など普通どうでも良いはずですが、何故マスメディアがこれほどまでに相撲の話題を取り上げるかというと、我が国が「少子高齢化社会」だからです。

マスメディアの一番のターゲット層は「お年寄り」や「B層」です。

何故なら、この世代層はテレビや新聞に対する信頼が非常に高いからです。

芸能人の不倫にしても、戦後日本人には一夫一婦制が”精神的に”定着しましたのでこの層には、「ウケる」話題と言えます。

スポーツの話題はコーナーを設けるぐらい重要です。

何せ「3S」のひとつですから。

3S政策のススメ〜浅田真央選手引退報道に見る日本の病〜

オリンピックだから多めに報道しているわけではありません。

マスメディアがここしばらく繰り返し報道する話題はこれらの事柄です。

マスメディアがこれらの情報を詳しく、更に繰り返し報道することによって視聴者自身がその情報を

”重要であると認識する”ということです。

政治の話題であれば、森友、家計問題、安保法制、マスメディアが積極的に報道したことを、ネットも含め他のメディアが追従する形を取りながら、それに対して言及し、批判したり見解を述べたりします。

これは、マスメディアが話題を作っていること、更に、それが重大な問題かのような空気を作っていることの証左です。

マスメディアがこれらの問題を放置していれば、森友問題だろうが家計問題だろうが”問題”にすらなりません。

マスメディアが力を入れている問題は、「大きな社会問題」と視聴者や読者は判断するということです。

実際に選挙の度に「行動課題」を与えるマスメディア

先ほど例に挙げた、「郵政選挙」や「増税選挙」といったマスメディアの議題設定を行います。

以下が衆議院のホームページですが、増税や郵政民営化以外にも様々な法律が可決していることは調べるまでもなくそりゃそうだろうと思うことでしょう。

一応調べてみてください。

衆議院ホームページ

第一次小泉内閣で可決された法案の一部ですが、郵政民営化以外にも多くあります。

第154回国会 制定法律の一覧

前段で説明したマスメディアの力の入れ様で重大問題を判断するということでは、それらに加えて選挙の度に、大衆に対して、重要な「~選挙」という様に行動課題を設定するのです。

これは、専門的には「マス・コミュニケーションの議題設定機能」と呼ばれています。

アジェンダ設定ーWikipedia

よくよく考えてみるとアジェンダ設定をマスメディアがしているということは、基本的に

「報道されるものはマスメディアが報道価値を認めた議題に限られる」

ということにもなります。

つまり、マスメディアの価値観や基準、背景、業界政治等の理由から世に出される問題や話題が変わるということは、「大衆の価値観をも操作することが出来る」ということになるのではないでしょうか。

幸い、現在はインターネットの登場で明らかにおかしいマスメディアの報道は明るみになり、それがネット上で「話題」に設定されたりもするので、マスメディアの力が相対的に低減していることは明白です。

しかし、行動課題を大衆に与える一番の媒体はやはりマスメディアでありますので、ネットがマスメディアを超えるということもあってはならず、牽制し合う状態が健全かと私は考えています。

マスメディアの資本はネットに対しても流入しておるので今後も大資本であるマスメディアが議題設定を行うことは間違いありません。

マスメディアが取り上げないことは「社会問題とはならない」のです。

社会問題そのものになったマスメディア

朝日新聞の捏造記事、各マスコミの偏向報道、事実の歪曲、報道しない自由の恣意的な発動、仕込み、記者クラブ制度問題など、枚挙に暇がありません。

みんな大好き!朝日新聞の捏造記事まとめ

最近のマスコミの偏向報道がひど過ぎる

メディアの偏向報道に騙されている人たち。こんなにも無知なのか…

ここまで暴かれたマスメディアの体質は、自浄作用は皆無と判断され、今や公共放送であるNHKもぶっ壊そうとする元NHK職員の方もいるぐらいです。

立花孝志YouTubeチャンネル

社会問題としてのマスメディアを考える際にまず考えておかなければならないのは、マスメディアも結局は「商売である」ということです。

マスメディアの問題も基本的にはやはりこの商売であることが問題が解決しない大きな要因となります。

マスメディアの問題を以下にまとめてみました。

過去にマスメディアの問題を記事にしていますのでそれも参考にしてみてください。

メディアの情報操作手法を公開します

 嘘を見抜く方法~正確な情報の掴み方~

「事実」はこうして作られる~既成事実化~

情報操作はなぜ起こるのか?〜メディアの構造と金の流れ〜

情報操作を仕掛ける者が困る5つのこと〜メディアの嘘に騙されない〜

1 報道においては、ステレオタイプの情景描写で済ませておけば気楽で無難であるという損得勘定が働くこと

2 物事のありのままを観るというスキルは非常に高度であり、それに見合う人材が少ないという人材確保上の問題

3 物の見方だったり、考え方なり、事実を正確に伝えるには、新聞であれば多くの紙面を割かなければならず、テレビであれば多くの時間(尺)を用意しなければならないが、マスメディアにそんな余裕はないという経営上の要請があること

こういったことが挙げられます。

こういった問題が存在するということを踏まえて、マスメディアが”報道”を行うと以下の様にならざるを得なくなります。

「自然な流れに沿った誰も否定できない事実を、俗受けする”切り口”で講釈する」

例えば、

”デモがありました”

という事実を一応のところで報道し、

”そのデモ参加者は既得権益を糾弾している”

 

といった雰囲気で読者である大衆に迎合するのです。

なんとなくでも心当たりはあるのではないでしょうか。

こうして、マスメディアの報道は客観的なものでは全くなくなり、”マスメディアの論理”と慣習で、選択された情報が世に出回るということになるのです。

まとめ

今回の記事は少し専門的だったかもしれませんが、このマスメディアが議題設定をするという事それ自体は理解できることと思います。

マスメディアの報道に議題設定効果が存在する以上、プロパガンダや情報操作は、マスメディア経営上なるべくしてなることであり、マスメディアの報道は”視聴者が本当に知るべき情報は全くない”ということになるのです。

全くないというのは言い過ぎといった反論もあるかもしれませんが、これが全く言い過ぎではないのです。

インターネット登場以前、スマートフォン普及以前なら、マスメディアが提供する情報の以外に情報を得る手段は書籍が一般的でした。

その書籍にしても本屋に行って自分の欲しい本を探すという手間や時間がかかりましたが、インターネットの登場によってその時間と手間が飛躍的に削減できたのです。

ということは、マスメディアからの情報は”ヒント”として捉え、それをインターネットを使い多角的に観ることができれば、客観的かつ本質的な判断を下すことが一般的に出来るようになるのです。

マスメディアの提供する情報に対してこういった使い方をする以外は全くもって見る価値はないでしょう。

今は、ドラマやバラエティ、スポーツなどが報道されていますが20年後30年後は「ニュースと教育」のジャンルしか放送していないような気がします。

必要なくなるでしょうから。

最近、フジテレビの業績不振が取り沙汰されていますが、フジテレビの姿勢はひどいものでしたが、それにプラスして視聴者から必要とされないという時代がそこまで来ているように私は思います。

そのうち視聴者もマスメディアの偏向報道に慣れ、マスメディアに全く信頼がなくなり、その時に抜本的な改革案が議論されるのでしょう。

その頃に我が国「日本」が存在しているのか心配ですが…

先日、「自衛隊が除雪した距離が1.5kmだった」という報道をしたということで報道ステーションが非難されていました。

私は、流石に大袈裟だろうと思いますし、このアナウンサーの真意は「自衛隊の力をもってしても1.5kmの除雪しかできないほどの豪雪だった」ということなのでしょう。

性善説でこのアナウンサーの言葉を取ればそれほど気にしないレベルですが、性悪説で取れば、自衛隊をバカにしていると言えなくもないでしょう。

今回は報道ステーションということもあって性悪説でこの番組を観ている人も多いのでしょうから、視聴者に指摘され且つ、攻撃された構図になったようです。

まあ報道ステーションですから相当嫌われているのでしょう。

仕方ありません。これまでが酷すぎたのですから。

 

 

本記事の参考文献、論文

ウォーターリップマンー新聞とは何か

マクスウェル・E・マコームズ

ドナルド・L・ショー

ーーーーーーーーーマスメディアの議題設定機能

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