「安全保障」と聞くとあなたは何を思い浮かべるでしょうか?
「軍事予算の拡大」「核装備」「日米同盟」「武器輸出三原則」「ミサイル」とか軍事のイメージが一般的なようです。
我が国は、大東亜戦争敗戦以来、自主防衛という国家運営の基本的な”要素”を失いました。
日米同盟という美名の下、米軍が我が国に米軍基地を置き、
東アジアにおける軍事プレゼンスを保ってきたのです。
これを「占領」と言います。
とは言え、軍事安全保障をアメリカに頼り切った為に、日本経済は大きな発展を遂げました。
「経済が発展すればいいじゃないか」と反論されるかもしれませんが、実はことはそう単純ではありません。
この記事では「安全保障」とはそもそも何なのか?
何のために「安全保障政策」をするのか?
これをテーマに記事を書いてみたいと思います。
安全保障の目的
あなたは私生活で心配事はありますか?
お金や人間関係、仕事など誰でも悩みや心配事はあるはずです。
その悩みを解決したいと思った時、どんな行動を取るでしょうか?
例えば、お金に対する心配事であれば、「何かあった時のために」、貯金、預金をするでしょう。
あるいは一方で所得を増やそうと、その為の勉強をして、預金を「保険」や「投資」に回すかもしれません。
「子供を作り育てる」というのもかつては投資という意味合いが強くありました。
食料が少ない時代の日本では子供を作り教育し、労働力になってもらったり最終的に自分の老後の面倒を見てもらうといったことです。
冷酷な表現に見えると思いますが、わかりやすくするためにあえてこの表現をしているので、深読みはなさらないでください。
個人に例えて言えばこれらが「安全保障」なのです。
目的が「自己の自由の確保」であって「今後のリスクに備える」ことが手段となります。
これらを国家単位で見るとどうなるでしょうか?
民主国家の安全保障の目的は「国家主権の確保」であり、その手段が「各分野の安全保障政策」となります。
民主国家とは国民主権と同義ですから、安全保障の目的は国民主権を守るということになるのです。
どんな国にするのかは様々な思想や主義の違いはあれど国民が決める為には「高度な自決権」を持っていなければなりません。
とこうなります。
したがって、安全保障の目的とは
「国民の自由を守るための備え」
となるのです。
安全保障の種類
安全保障は軍事のイメージがやはり強いですが、安全保障には様々な分野があります。
軍事安全保障は他国からの侵略を防ぐため。
食料安全保障は、国民の健康や飢え、飢饉を防ぐため。
医療安全保障は、国民の健康、命を守るため
物流安全保障は、モノの移動を確保しなければ経済が成り立たないことや、災害時に物資を被災地まで届けるための道路、交通インフラが確立させおくことで国民の命を守るため。
防災安全保障は例えば、津波や洪水などの自然災害対策のため。
防犯安全保障は、警察機構等、国民の平穏な生活を守るため
エネルギー安全保障は、地下資源、石油、天然ガス、石炭など国民の生活や企業の運営に欠かせないモノです。
このようにいくつか分野があります。
共通することは「国民の安全」です。
これらひとつでも無くなれば、国民の安全、自由は崩壊します。
つまりこの安全保障とは掛け算とならざるを得ません。
どれかひとつでも”0”になれば全てが0になってしまうので何よりも優先されるべきことなのです。
政治家が安全保障のことを深く考えていないということは国民のことを考えていないということと全く同じです。
政治家が国民のことなど考えていないということを理解できるかと思います。
このようなことは本来は一般人がブログを使って伝えるものではなく、国家が義務教育の中に組み込むべきことなのです。
安全保障の手段
軍事で言えばもちろん軍事支出の拡大は最優先されるべきでしょう。
現在はデフレですから、政府が軍事支出のために国債を発行し、需要を作ればデフレ対策にもなります。
基本的に武器や兵器は自国生産でなければいけません。
なぜなら、武器や兵器を現在のようにアメリカに依存する形を取ると、アメリカに対しての交渉力が全く無くなります。
アメリカに対しての交渉力がなくなるとはどういうことか?
それは「アメリカの言いなり」にならざるを得ないということです。
私がアメリカ人で日本と交渉する立場なら、このようにするでしょう。
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~後日~
~交渉再開~
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とまあこんな流れにするでしょう。
外交の世界においては手段を選びません。
アメリカはアメリカの国益の為にこういった卑怯なこともやるのです。別にアメリカに限ったことでもありません。
このように我が国の、規制はアメリカにとって都合の良い法律に変えられてきました。
金融規制の緩和、指名競争入札から一般競争入札への移行、農協改革、郵政民営化、電力自由化(発送電分離)、水道民営化など「国民の安全保障」に関わる部分を外資に叩き売ってきたのです。
「日本の法律」を、「アメリカが決める」ということになります。
これが安全保障を考えないことによる民主主義の破壊、関連してグローバリズムの民主主義の破壊になるのです。
安全保障を考えなければ、このように「他国から侵略」されるのです。侵略に武力は必ずしも必要ありません。
武力はあくまでも交渉を有利に進めるための”ツール”、”背景”に過ぎないのです。
”グローバリズムが善という思想は安全保障を各国に”考えさせない”戦略と言えるかもしれませんね。
そもそもグローバリズムは平時が前提であり、安全保障も一切想定してません。
更に覇権国家という「力」、警察官があってようやく成立するかもしれない考え方に過ぎないのです。
その覇権国家が現在はなくなりつつあること、これまではアメリカでしたがそのアメリカの力がもうないのです。
本来どのような国家も国家競争に勝つためには、徹底的に自国本位、つまり国益を考えなければいけません。
これまで書いてきたように自国の安全保障として、力を蓄え、強化する必要があります。
私はこの方法以外に日本国民の安全を確保する手段を知りません。
しかし、どのような綺麗事や美辞麗句を言ったところでこの現実からは逃れられないのです。
では日本は何をするべきなのか?
問題点を指摘すればじゃあどうすればいいんだという話にならざるを得ないですが、はっきり言えばもう手遅れです。
そもそもいちコンサルタントごときが、こんなことを言うこと自体バカげていることはご理解いただきたいところです。
また、このような状況で私達ができることと言えば、せいぜい状況が悪化することを遅らせることぐらいです。
20年前程から「アメリカが我が国を守ってくれなくなったら」を考えることが軍事安全保障を考えるということになるべきでしたが、極々一部を除いてこんなことを考える人はいませんでした。
なぜなら、20年程前からアメリカ主導のグローバリズム戦略が開始されたからです。
日米構造協議、年次改革要望書にはアメリカが日本をターゲットにしていることは明白です。
ぜひ調べてみてください。
我が国は「保守」と名乗る連中がグローバリズムに賛成したり「安全保障」を考えると言えば「日米同盟の強化」と「軍事支出の拡大」ぐらいしか言わないとんでもない愛国者達ですから、もしかしたら「売国者」なのかもしれません。
言いすぎでしょうか?
解決策として強いて言えば、一刻も早く以下のことを実現させることです。
「国防を最優先に、食糧、水、エネルギー、大規模地震対策を優先して強化し、それによる財政出動でデフレ脱却し内需を拡大し、景気を回復させることと同時に、中韓などの東アジアやアメリカを日本市場に依存させるべき」
このように私は考えます。
それには政府の大規模な財政出動が絶対条件となります。
ですが、財務省をはじめとする学者や知識人の壮大な嘘であるいわゆる国の借金問題が、邪魔をしているのです。
この、いわゆる国の借金問題は最終的に国民を殺してしまいます。
まとめ
安全保障の目的とは、
「安全保障はあなたの自由を担保する」
ものです。
そして
「国民の自由を守るための備え」
をすることが安全保障の手段です。
暗い話になってしまったかもわかりませんが、いつの時代だって暗いのです。
政治が良かったことなどほとんどありません。
多くは後から考えて良かったねとなっているだけです。
ですが、そんな時代の中で私達、現代人を「未来の日本人のために」と過去の日本人に守ってもらっていたことを忘れてはいけないのです。
一人で生きているわけでもありません。
安全保障の極意は”助け合い”です。
いつの時代も闘ってきた人間からバトンタッチして現代に受け継がれていることを忘れずに
”考えることを辞めない”
ようにすることが大事なことであると私は考えています。