保守も左翼も根は同じ〜思想の分類は意味をなさない〜

右翼、左翼、保守派、民族派、革新派、愛国派、リベラル派など政治ポリシーにはカテゴライズされることがほとんどです。

また日本のイメージでは、右翼=愛国、保守といったところで、左翼=共産主義者、社会主義者というイメージが定着しています。

メディアもフランスの国民戦線を「極右」と表現してみたり(実際は極右ではありません)、トランプ大統領を「保護主義者」と言ったように、とにかく人間というのは、人を分けることが好きなようです。

人は人をカテゴライズすると言えばわかりやすいでしょうか。

しかし、現在の我が国を観ていると、現政権を「保守派」としていたり、構造改革などの革新をする人達のことも保守派としてイメージされています。

私からしてみれば、グローバリズムを進める人間が保守派だとは到底思えませんし、むしろ左翼が好きな考え方です。

国境にこだわる時代は終わったとか、地球市民とか、いかにもサヨクっぽいです。

しかし、アメリカを観てみるとグローバリズムに反対する人達というのは「左翼」です。

ウォールストリートオキュパイ運動なんか観てみると左翼ばかりです。

彼らは、グローバリズムが一部の資本家や企業が利益を独占するための手段であることを知っています。

一方、日本の場合は右も左もグローバリズムに賛成し、構造改革を推めます。

私はこれには、日本に特殊な事情があると感じています。

その特殊な事情とは何なのかを考えてみたいと思います。

日本の左翼がグローバリズムを推進する理由

日本のいわゆる左翼新聞(サヨク)は”民主主義”、国民主権が最上位の政治体制であると考えています。

しかし、グローバリズムは民主主義、国民主権を否定する考え方であるのに、彼らはグローバリズムは善とする矛盾した考え方を貫いています。

彼らはそのことを知っているのでしょうか?

恐らく「考えたことがない」が正解です。

彼らの言う民主主義というのは、戦前のイメージである軍国主義に対する、カウンターであって、単なる反国家、反軍国主義でしかないということです。

そして、日本に特殊の事情としてやはり、いわゆる東京裁判史観、自虐史観が根底にあります。

ご存知だとは思いますが東京裁判(極東軍事裁判)とは、

戦勝国による敗戦国に対する裁判を模した私刑(リンチ)」

です。

概要は知っていても、じっくり観たことはないという場合なら是非、ご覧になっていただきたいと思います。

この東京裁判と称されるリンチの中身は、

日本はアジア各国に迷惑をかけた

日本は軍事力を背景にアジア諸国を侵略した

というものです。

要は日本は加害者であるということを、力と欺瞞によって国際的に決定した茶番劇ということです。

ところがです。

この極東軍事裁判のような茶番劇が行われたと当時に知っていた日本人はどれほどいたのでしょうか?

また、GHQの洗脳工作が行われ、チョコレートを撒かれ、あたかも日本国民を日本軍部から救った救世主であるかのようにも工作していたわけですから、一般の日本国民は知る由もないということになります。

GHQは当然メディアへの検閲を行い以下の言論を禁止しています。

大東亜戦争の本質

1、連合国最高司令官司令部(SCAP)に対する批判

2、極東軍事裁判批判

3、SCAPが日本国憲法を起草したことに対する批判

4、検閲制度への言及

5、合衆国に対する批判

6、ロシアに対する批判

7、英国に対する批判

8、朝鮮人に対する批判

9、中国に対する批判

10、他の連合国に対する批判

11、連合国一般に対する批判

12、満州における日本人の取り扱いに付いての批判

13、連合国の戦前の政策に対する批判

14、第三次世界大戦への言及

15、ソ連対西側諸国の冷戦に関する批判

16、戦争の擁護の宣伝

17、神国日本の宣伝

18、軍国主義の宣伝

19、ナショナリズムの宣伝

20、大東亜共栄圏の宣伝

21、その他の宣伝

22、戦争犯罪人の正当性および擁護

23、占領軍兵士と日本女性との交渉

24、闇市の状況

25、占領軍軍隊に対する批判

26、飢餓の誇張

27、暴力と不穏の行動の扇動

28、虚偽の報道

29、SCAPまたは地方軍政部に対する不適切な言及

30,解禁されていない報道の公表

大東亜戦争→太平洋戦争

八紘一宇

支那事変→日中戦争

言霊

修身

書道→習字

詳しいことは以下の記事に書きましたので参考にどうぞ。

大東亜戦争の本質

この状態が数年続いたことで、GHQの占領が終わっても、日本のメディアは戦前のような記事を書くことができなくなってしまい、またそのような記事を書くことそのものを”悪”と認識するようになってしまったのです。

正に日本国民に対する洗脳が仕上がったのです。

こんなイケイケな記事を書いていたんですね。

私も初見は非常に驚きました。

そんなこんなで、東京裁判史観、自虐史観を植え付けられた日本人の頭の中には、

日本政府が悪く、政府に騙された日本国民」という構図が洗脳によって出来上がっているのです。

そもそも、戦前から選挙はありましたから、戦前から民主主義だったことは間違いありません。

ですが、加害者意識を植え付けられた日本国民は、軍部が全て悪く軍部に騙されたと認識を改めたのです。

そうして自らを救ったのです。

これと同じ光景はドイツでも見られました。

ナチス・ドイツが戦後倒れた後のドイツ国民もナチスが全て悪いとナチスに全責任を押し付けました。

自分達がナチスの政策(東方生存圏、優生学、ケインズ的な経済政策)を支持していたことは気持ちよく忘れていたのか、そうしなければ罪の重さに耐えられなかったのか、いずれにせよ、日本とドイツに同じような、光景があったことは事実です。

このようなGHQが仕掛けた洗脳による”歴史認識”が事実という空気に日本全体が包まれたのです。

したがって、日本の左翼は「反政府」、「反軍国主義」、「アメリカ的な民主主義」、「日本は加害者である」であることが正しいとされ、この考え方であれば「左翼」というひとつのスタンスが出来上がったのです。

だから、アメリカが推めるTPPは正しいし、グローバリズムも正しいし、構造改革も正しいとなるのです。

他は適当に閣僚が靖国神社を参拝した時に叩き、軍事安全保障の強化と、改憲に反対しておけば仕事は完了するのです。

つまり、何も考えていないのです。

記者クラブ制度や官僚からもらうレターをもらって、他社と談合して記事を書き、3年で配置換えすることが行われているので、記者の政治に対する分析力など備わりません。

だからこそ、大手紙はグローバリズムに賛同するし、新自由主義的な政策に賛同するのです。

琉球新報や沖縄タイムスなどのいわゆる極左は中国の機関紙と見れば、普通の新聞です。

保守層の堕落

対して、一方の保守層はどうなのか?

保守と一言でいっても、愛国心があって日本の独立をとか、単なる嫌韓、親米派保守、親中派保守など色々いますが、グローバリズムには賛成といった姿勢の政治家が主です。

グローバリズムに反対する政治家もいるでしょうが、無理です。

と言うのも、現政権がグローバリズム推進している以上、公認を取り消されでもすれば、その政治家は政治家としていけていけなくなります。

また、いわゆる街宣右翼というのは、ほぼビジネスだと私は理解しています。

彼らが、グローバリズムに反対しているのを見たことがありませんし、そもそも自民党の憲法改正案に対しても何も言っていません。

自民党憲法改正草案

自民党の憲法改正草案を見る限り、完全に天皇を「お飾り」にしようとしていることがわかります。

これは、現憲法と比較すればすぐに気付けるレベルの露骨ぶりです。

これに対して、民族派団体や街宣右翼が糾弾しないのは全く解せないことです。

知らないはずはありません。

彼らは天皇陛下万歳といつも言っています。

毎年私が、1月2日の一般参賀に足を運ぶときには必ずそれらしき人はいるのです。

しかし、この自民党の憲法改正草案に対して何も言わないというのは、結局は金なのかと私は感じてしまうのです。

話が逸れましたが、保守というのには様々ありますが、こちらも結局はそれほど考えていないということです。

つまり、なぜ保守が、「構造改革」「グレート・リセット」「グローバリズム」「規制改革」「抜本的構造改革」などと言うのに保守なのかということです。

一般的に保守層の主張というのは、

「日本人は素晴らしい」「戦後焼け跡の中から立ち上がり日本人の努力で経済成長した」「世界一長い歴史を持つ国である」「有色人種で初めて欧米列強に挑戦した」「大東亜戦争は民族解放の戦いであった」

大体これが一般的です。

確かにその通りである主張もあります。

ありますが、以前の記事でも書いたように戦後日本は、ドイツや朝鮮のように分断されなかった為に市場を大きく保てたり、GATTでも日本に有利な条件で条約締結できたり、朝鮮戦争の特需があったり、更に、アメリカが我が国の軍事安全保障を担ったので、本来なら軍事にかけられるべきリソースがソニーや新幹線など民生品に当てられたという、非常に特異な環境であり、またありがたい環境でもあったわけです。

ここまでのことをしてもらえれば、大抵の国は成長します。

もちろん当時の日本人(団塊の世代)が死ぬほど働いたことは認めますが、それを日本人の努力と言い切るのは傲慢が過ぎるのではないかと私は思うのです。

高度成長期は冷戦下でもあったので、その頃の社会主義者や共産主義者という左翼勢力の力は強く、労働組合や組合貴族、働かないくせに権利ばかり要求するだらしない人間がいたことで、保守層はそれは違うと左翼勢力に対抗するわけです。

そんなことで、保守層はお花畑の左翼を叩く「反左翼」となっていきました。

保守層には基本的に親米が多く、米国に軍事安全保障分野が依存していることを自覚していますが、一方の左翼は、9条を後生大事に守り続け、平和だ、地球市民だとのんきなことを言っていられるというのは、自覚しないでアメリカに依存しているということです。

つまり保守層も左翼も同じ土俵に乗っているのです。

有り体に言えば保守層の”保守”の出発点が1945年8月15日であると言うことです。

それが証拠に、これまで保守層が日米同盟が無くなった場合についての議論を本気で行ったのか?ということが挙げられます。

我が国が自国を自国で守っていた時代は70年以上前です。

ということは、現在の政治の中枢にいる人間というのは、ほとんど自国を自国で守らない教育を受け、アメリカの核の傘の下で年をとったということです。

そんな人間が、アメリカの核の傘がなくなることなど考えることもしないし、想定すらしないのです。

その上、GHQの洗脳工作が強い世代でもありますから、アメリカが守ってくれなくなるという状態を想定できない上に、為す術がないのです。

つまり、保守層は現在のアメリカが世界の警察官でなくなる状態に混乱しています。

だからこそ、軽薄な保守層というのは、日米同盟が解消した場合の想定もしないし、TPPは安全保障と言ってみたり、日米同盟の強化と言いながら、国民の財産をアメリカに差し出すことの誤魔化すために、お花畑の左翼を叩いていればやり過ごせると考えているのです。

軽薄な保守層は世界一長い歴史のある日本を誇りに思っていると言う割には、1945年8月15日で止まっています。

保守というのであれば戦争に負ける前の「富国強兵」を考えるべきではないのか?と思うのです。

そして国家観もないので、グローバリズムの言いながら、また、中国の成長を取り込むと言いながら、中国の経済成長を支援し、中国の軍事力の拡大に貢献してきたわけです。

そして今脅威にさらされていると、こんなマヌケな事態になっているということです。

保守や左翼などカテゴリは意味をなさない

したがって既に右翼とか左翼とかカテゴリする意味はもう全くなくなってしまったのです。

大体、自民党が保守であれば、大物スパイがいた政党であるということになりますし、CIAの資金で成立した政党であるということですから、我が国の保守政党は売国をすること標準であるということですので、実際は保守など存在しないとなります。

一体なにを「保守」しているのかわかりません。

戦争に負けたら何をされても黙って受けいれるのが、保守なのかと。

だからこそ、現代はインターネットの発達で一般国民に事実が拡散していっていることで、保守の主張する事実、左翼の主張する事実などの情報を、大衆は取捨選択できる時代になり、保守も左翼も関係なくなり、「事実ベース」の思考が出来るようになったのです。

まとめ

保守も左翼も根っこは一緒

ということです。

私は保守ではありません。

現政権の政策を批判しているわけですから、分類するなら左翼と言えますが、我が国の左翼というのは話にならないほどのレベルですので、事実だけ聞いておけば良いと思っています。

結局、

「自分が生まれ育った国を本気で守ろうとするかどうか」

でしかありません。

その本気度が一般国民に試されているタイミングなのではないか、その上で世界との関わりを平和を前提に考えるタイミングなのではないかと私は考えています。

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