箝口令が敷かれているのであろう「国家戦略特区」。
表面ではさくらの会なりギリギリ日米FTAについての議論や他の問題の裏で動き続けるこの国家戦略特区という政策はいかなるものなのでしょうか。
今更、国家戦略特区の批判もありませんが、改めてこの国家戦略特区について考えてみたいと思います。
国家戦略特区の目的
はっきり申し上げれば「外資を呼び込む為の政策」と言えます。
以下のリンクを参照してみてください。
pdfをひとつひとつ細かく観ていくと一定の目的が浮かび上がります。
外資は何を目的としてビジネスをするでしょうか?
言うまでもなく。「利益」のためです。
利益を追求するに当たり、企業が求めるものは何でしょうか?
「低賃金労働」
「少ない規制」
です。
国家戦略特区は、「世界で一番ビジネスをしやす環境づくり」という名目で行われています。
世界で一番ビジネスしやすい環境とは、上記に挙げた条件もさることながら「政府のない環境」、「企業が好き放題できる環境」ということです。
逆に言えば、「労働者が最も働きにくい」という環境のことになります。
繰り返しになりますが、グローバリゼーションの進んだ世界では、企業の利益と労働者の利益は一致しません。
資本移動が自由化され、企業は独自の判断で低賃金労働が獲得できる地域に生産拠点を移すことができるためです。
日本という経済エリアで低賃金労働を獲得するにはどうするべきかと言えば、「外国人労働者」に他なりません。
また、外国人労働者で且つ、人材派遣ということであれば、企業としては、徹底的に安い労働力で利益を上げることができるということが達成されます。
このことから、国家戦略特区は「移民受け入れ」の為の入り口となってきたと言えます。
安倍政権になってかた入管法は改正され続け、どんどん移民を受け入れていく環境になっていますが、それとは別に国家戦略特区が先駆となり多くの外国人労働者という名の移民が入ってきたのです。
国家戦略特区は、日米構造協議、年次改革要望書とも関連します。
改革って何?④ #国家戦略特区 と #年次改革要望書 ~スパイへの指令書
国家戦略特区の創設は米国好み、ひいては多国籍企業好みに作られたのです。
低賃金労働と低い税制
最近以下のニュースがありました。
元々、危惧されていた事態ではありますが、これが財界の目的です。
法人税については今回の消費増税とほぼ同時に減税の議論がされています。
さらなる低賃金労働の方向へ向かい、利益はタックスヘイブンへ迂回させ法人税は極力支払わないといった流れがビジネスの定石となっているのです。
株主資本主義の是正が必要ですが、所有と経営の分離がなされ、TPP発効、日欧EPA発効が行われている以上、かなり厳しいでしょう。
法人税などいくら下げても意味はありません。
その分消費税が上がるだけのもので9割の労働者にとってはデメリットしかありません。
国家戦略特区は与野党の「同意事項」
最近、当ブログでは同意事項という言葉を使っています。
この同意事項というのは、議論されないこと、与野党ともに同意されている事項であり、国民、一般庶民にとって重要な問題のことです。
何が議論されているかよりも何が議論”されていないか”の方が重要である
大衆に民主主義が存在していると思い込ませるためにはどうすれば良いのか?
移民反対を主張する政党も、庶民の生活を一番に考えると主張する政党も、国家戦略特区そのものについての批判は行いません。
これでは各政党、政治家、知識人が国家戦略特区を利用する財界から、「囲われている」という疑念が生じても仕方ありません。
実際、資金の流れを見ればそうだろうと思うフシもあります。そもそも、現在の公職選挙法は財界を含めた金持ちの言いなりにならなければ当選することは不可能です。
国家戦略特区は治外法権であり主権喪失地域
このことから国家戦略特区は「財界の、財界による、財界のための政治」が実現しているということです。
一応、民主主義国家を謳う日本で「財界の、財界による、財界のための政治」が国民の総意であろうはずもありません。
民主主義国家の国家主権は、即ち国民主権です。
なぜなら国籍を持つものにしか選挙権が与えられていないからです。
その上で、この有様です。
したがって、国家戦略特区は治外法権であり主権喪失地域であると言えます。
国家戦略特区は事実上、「一国二制度」のようになっています。ここに国連の定める「主権、民族、領域」が作られれば、日本から独立なんて話にもなりかねません。
大阪都構想は独立運動
過去の記事で少し紹介しましたが大阪都構想は日本から独立を行おうとする独立運動です。
繰り返しになりますが、これは内乱罪という重大な犯罪行為です。
大阪維新の会が公式ホームページでこの論説を紹介しているということは、自覚があるということです。
橋下徹が地域主権、大阪政府を連呼していたのもうなずけます。
確実にこの大阪都構想もとい、独立運動は「同意事項」でしょう。
批判している知識人や政治家はこれには触れません。
権威が一言、「騒乱罪じゃないか」と言えば済むものを言わないというのは、正にプロレスを見せつけられているようなものです。
つまり、大阪都構想を批判するものは皆、ポーズということなのでしょう。
まとめ
国家戦略特区の異常性は他のブログでも散々言われていましたが、発展途上国が行うような政策をしていることにも違和感がありますし、それを受け入れる政権と保守とか右翼とか言う連中が外資の手先になっているのを見ると、モーゲンソーのアニムスドミナンディという状況なのだと感じるところです。
しかし、この大阪都構想のリンクを大阪都構想の反対派に送り、出方を見るのはある意味興味深いところでもありますのでぜひやってみてください。
きっと、思いがけない真実を観ることができると思います。
参考記事
【IWJブログ・東京都知事選】「国家戦略特区」は“ブラック特区”派遣法改正で拡大する賃金格差~岩上安身による棗(なつめ)一郎弁護士インタビュー 2014.2.4
国家戦略特区とは移民政策であること【国境をなくしてしまう移民=ニセユダヤ人問題】