一般庶民が今「足るを知る」なら、足らなくなるだけである

一般庶民が今「足るを知る」なら、足らなくなるだけである

「足るを知る」、「足るを知る者は富む」という言葉があります。

老子の言葉として有名ですが、この言葉の本質はあまり理解されていません。

老子は、いわゆる春秋戦国時代に活躍した思想家です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%81%E5%AD%90

孫子の兵法や論語と同じく現在でも語り継がれ、経営者でも老子を読む人は多くいます。

その中でも「上善如水」と並び、一番有名な言葉がこの「足るを知る」なのですが、老子は今で言う「支配層サイドの人間」です。

この言葉の本質を考えてみたいと思います。

足るを知ることができるのは「持てる者」だけである

足るを知るという言葉は、欲望を戒めることやこのもっと欲しいという感情が判断、選択を狂わせることに繋がるから、「止足の戒め」と呼ばれます。

確かにこの老子が活躍した時代というのは、王朝の際限のない領土、支配の欲望から破滅した事例が多くあります。

個人の例として、もっと食べたいけど腹八分目にしておこうとか、現状、仕事はうまくいっているが少し社会の様子を観て選択を考えようとか言ったことがあるかもしれません。

ですが、この言葉、「誰が聞いても同じ印象を受け取るか?」という疑問があります。

確かに個人の戒めとしてはとても良い言葉だと思いますし、私自身心がけていることでもあります。

しかし、支配層、富裕層、一般庶民、貧困者が全く同じように解釈することはあり得ません。

富裕層の立場でこの言葉に納得すれば、「この程度にしておかなければ足元をすくわれるかもしれないから止めておこう」となるでしょう、一般庶民であれば、「仕事の先行きも不透明だし、生活水準を上げることは止めておこう」となります。

しかし、貧困者の場合であれば「ふざけるな」となります。

とは言え、支配層が貧困者に教育を与えていなければこの偉い人が言った「足るを知る」という言葉は、「支配層自身の立場を強固にする」ことになるのです。

つまり一般庶民、並びに貧困者に足るを知るという言葉が浸透し実践することは、支配層のような「持てる者」の立場が安泰になるという結果を生み出すのです。

詰まるところ、この「足るを知る」とい言葉に納得するような人とは「現状の生活である程度満足できる人間」だということになります。

老子はこのことも理解した上でこの「足るを知る」を教えています。

大衆に仕方ないと思わせる極意

例えば、消費増税などが典型です。

国の借金が1000兆円を超えて、このままでは社会保障を維持できず、また将来世代にツケを残すべきではない、だからこそ消費増税で賄うべきだ。

といった言説はかれこれ10年近く続いているのではと思いますが、法人税は消費増税と同時に下げられていますからこの言説は法人税を下げたい勢力や消費増税でメリットを受ける勢力の欺瞞でしょう。

しかし、この言説を大衆が真に受けることで、自らの首を締め続けています。

借金が大変だ、将来世代にツケを残すべきではない、このよう人の善意に訴え、消費増税に賛成する自分があたかも物分りがよく、日本という国の将来も考えているようなイメージが形成されます。

そうすると世論は、「仕方ない」となります。

違う見方をすれば、「仕方ないと受け入れられる」生活水準であるということです。

この場合の「仕方ない」は無意識に足るを知ることは良いことであるという状況に追い込んでいます。

この仕方ない思わせることが統治の極意であろうと私は理解しています。

過去の記事も踏まえて考えると理解が深まります。

これを支配すれば統治できるよ〜大衆の取扱説明書〜

裏番の存在

統治をする上で「裏番」の存在が必要になります。

裏番とは、「裏番長」のことですが、日本で言えばCSISや経団連、米軍のような存在です。

もちろんその上も存在します。

大衆から全く意識されず、実は、実権を握っているといったそのような存在です。

一般的に安倍晋三氏が権力を持っていると思われていますが、この人には全くありません。

私がいた中学校にも派手な奴が番長扱いされていましたが、その人も頭が上がらない同級生がいて彼をうまく操っていた優等生がいましたが、金八先生ドラマで言うと風間くんの役柄です。

このような構図は政治に限らず、日本社会の支配構造に深く根付いています。

安倍晋三氏が大衆から叩かれることもひとつの仕事ということです。

実は老子の言葉にもこのことに関する言葉があります。

太上(たいじょう)は下(しも)これ有るを知るのみ。その次は親しみてこれを譽()む。その次はこれを畏(おそ)る。その次はこれを侮る。信足らざれば、焉(すなわ)ち信ざられざること有り。悠(ゆう)としてそれ言を貴(おも)くすれば、功は成り事は遂()げられて、百姓(ひゃくせい)は皆我自ら然()りと謂()う。

現代語訳

最も理想的な君主と言うのは、民衆はただその存在を知るだけで何をしているのか解らないくらいで良いのだ。次に良い君主は民衆がその功績を讃える様な君主で、その次は法と罰を厳しくして民衆が恐れる様な君主で、その次は民衆から愚かだと侮られる様な君主である。君主が誠実さを欠いて余計な事をすると民衆からの信頼を失うものだ。だから理想的な君主は悠然としてめったに口を挟まず、人々が力を併せて事業を為す様にさせて、民衆が「我々の力で国が良くなった」と自らを誇れる様にするのだ。

老子 第十七章 太上は下これ有るを知るのみ

足るを知るという言葉で大衆を大人しくさせ、その大衆の痩せ我慢、ストレスを表向きの権力者に向けてガス抜きをする、本当の権力者には気付かせないといった構図です。

平穏な日常を勝ち取る

現状一人当たり10万円を支給するということになっていますが、この程度は本来当たり前で、足んねーよ、おせーよ、もっとよこせぐらいで丁度いいのです。

一般庶民は自身の平穏な日常を20年以上、徐々に奪われてきたのですから、本当の敵を知り、大切なその生活を取り戻すべきです。

コロナ騒動は見方によれば支配層による世界同時多発テロです。

本当にコロナウィルスが恐ろしいものなら、なぜその対策に集中せずに、その裏で行われているスーパーシティ法案やワクチン、5G 、SDGs、コロナウィルスの恐怖のみを煽る報道、種苗法の改悪、デジタルレーニン主義の推進などが積極的に行われるのか。

少し考えればわかるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

私達の人間としての尊厳が風前の灯になっているこの状況に打ち克つには「知ること」しかありません。

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