有識者会議は平成の貴族院である

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あなたは有識者会議というものをご存知でしょうか?

民間の企業のトップや大学教授などが今後の政策について議論するものです。

有識者会議とは?

有名なものは産業競争力会議、経済財政諮問会議は特に有名です。

これ以外にも多くありますが、これら中で有益なものもあるでしょう。

しかし、私が考える問題はこの有識者会議のメンバーが所属している企業への利益誘導を行っている可能性が高い点です。

産業競争力会議のメンバーであるHTは、慶應義塾大学名誉教授という肩書がある一方で人材派遣会社取締役会長という立場でもあります。(公人なので名前を出します)

実際に小泉構造改革から派遣法の改正つまり、

労働移動の自由と同一労働同一賃金と称し、正社員を解雇を容易にする法律、派遣労働の業種の拡大と国民の賃金低下いう結果を招き、人材派遣業者が利益誘導を目的とする提言を行った

提言を行っただけではありません。実際に影響力を発揮し法律が変われば、彼の本心がどうあれ利益誘導、利益相反を行ったと言わざるを得ません。

しかし、結果や国内への影響がどうあれ、責任を取らないことが問題なのです。

非正規雇用者数の推移

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の変遷

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そして、非正規雇用者が増えても全体の労働者の賃金が減っても彼らは自己責任と言えるのです。

非正規雇用者数の推移

実質賃金の推移

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これが新古典派経済学を根本に据えた「新自由主義」の実態です。

この状態を表現するのに「弱肉強食」という言葉以外の表現が見つかりません。

常に市場原理が正しい、競争原理が正しいということはないはずです。

この新古典派経済学がいかに役に立たないかをこちらで説明します。

本来すべきことは「競争」ではなく「切磋琢磨」です。

お互いに刺激しあって能力を高め互いに登っていく、つまり根底に助け合いの精神が必要なのです。

有識者会議のメンバーには責任がない

彼らは、選挙で選ばれていないのにも関わらず国家の政策に影響力を発揮しています。

選んでいるのは官僚です。

政治家であれば、選挙で落選させることができますが、彼らはやめさせることができないのです。

結果を出せなくてもやめなくていい、選挙で選ばれたわけでもない企業のトップが自社の利害関係で政策を提言し、利益誘導を図ることができる。

これは正しく特権であり、HTが毎度糾弾する「既得権益」に他なりません。

かつて、このような特権が議会に存在していました。

平成の貴族院

貴族院というものをご存知でしょうか?

明治維新後に徳川家が今で言う参議院のような役職を担っていました。

貴族院には任期がなく、基本的に終身任期でした。

以下に貴族院のなんたるかをまとめます。

大日本帝国時代、帝国議会は衆議院と貴族院で構成されていました。衆議院は選挙によって選ばれた議員によって構成され、貴族院は皇族議員、華族議員、勅任議員で構成されていました。以下にその概要を説明します。

【皇族議員】
成年(皇太子・皇太孫は満18歳。その他の皇族は満20歳)に達した皇族男子は自動的に議員となりました。終身議員で、定員はなく、歳費もありませんでした。しかし、皇族が政争に関与すべきではないとの見地から、帝国議会の歴史上、一度も議員として出席したことはないそうです。

【華族議員】
華族から選出される議員です。華族議員は、公爵議員、侯爵議員、伯爵議員、子爵議員、男爵議員で構成されます。なお、朝鮮貴族は朝鮮貴族令第5条により華族と同一の礼遇を享けるものとされましたが、華族議員となる資格はなく、勅任議員として貴族院議員となりました。

【公爵議員、侯爵議員】
満25歳に達した公爵、侯爵は自動的に議員となります。終身議員で、定員はなく、歳費もありませんでした。しかし大正14年、勅令第174号による改正により、年齢が満30歳に引き上げられ、また勅許を得て辞職すること及びその後勅命により再び議員となることが認められるようになりました。

【伯爵議員、子爵議員、男爵議員】
満25歳に達した伯爵、子爵、男爵から互選で選ばれる議員です。任期は7年。定員については、以下のように変遷しました。

・設立時
伯爵、子爵、男爵議員の定数は、各爵位を有する者の総数の5分の1を超えない範囲とされた(第1回帝国議会において伯爵14名、子爵70名、男爵20名。第21回帝国議会において伯爵17名、子爵70名、男爵56名)。

・明治38年
勅令第58号により、伯爵議員、子爵議員、男爵議員議員を通して定数143名として、各爵位を有する者の総数に比例して配分することとなった。

・明治42年
勅令第92号により、伯爵17名、子爵70名、男爵63名とした。

・大正7年
勅令第22号により、伯爵20名、子爵73名、男爵73名と増員した。

・大正14年
勅令第174号により、年齢が満30歳に引き上げられるとともに、伯爵18名、子爵66名、男爵66名の合計150名の定数となった。以降、貴族院廃止まで変更はない。

【勅任議員】
勅任議員とは、天皇によって特別に任命される議員です。勅任議員は、勅撰議員、帝国学士院会員議員、多額納税者議員、朝鮮・台湾勅撰議員で構成されます。

【勅撰議員】
国家に勲労ある者又は学識ある者の中から、内閣の輔弼により天皇が任命しました。終身議員。人数は125名以内。

【帝国学士院会員議員】
帝国学士院会員で、30歳以上の男子から互選されました。任期は7年。定員は4名。

【多額納税者議員】
土地あるいは工業・商業につき多額の直接国税を納める30歳以上の者の中から互選されました。任期は7年。人数は67名以内。

【朝鮮・台湾勅撰議員】
朝鮮または台湾に在住する満30歳以上の男子で、名望ある者が特に勅任されました。任期は7年。人数は10名以内。1945年(昭和20年)に創設されましたが、1946年(昭和21年)に朝鮮・台湾の統治権を失ったことにより廃止されました。なお、朝鮮・台湾勅選議員が設立される以前は、朝鮮・台湾出身者は勅撰議員として議員となっておりました。

貴族院のようなものが、時代を越えて再度作られるというのは我が国の欠点です。

どのように考えても民主主義を逸脱していることは明らかです。

せめて会議のメンバーでいるのであれば、辞任するなり、株式を売却するなり利害関係を解消してからやるべきです。

それを突っ込まない野党も本当にどうしようもないと感じます。

民主主義の否定ともなる制度がこの有識者会議と言えます。

これを糾弾することは正しいことだと思いますので、是非考えてみてください。

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