為替操作禁止条項でとどめを刺される日本

為替操作禁止条項でとどめを刺される日本

前回、日米FTAの為替条項について記事を書きましたがこの記事で書いていなかったことがあります。

それは、そもそもの話ではありますが、「自由貿易協定とは何か?」という問題です。

過去に色々とグローバリゼーションについての問題は記事にしましたのでそれも合わせて参考にしてください。

グローバリストにとって「保護主義」とは「自由貿易」のことである

帝国主義とグローバリズムは根がひとつ

グローバリゼーションの正当性

安全保障を考えない国家は滅びます「◯◯がないだけで自由は奪われる」

グローバル化で日本人が困った6つのこと

グローバルトレンド2035から観る人類の未来

デフレ容認派とグローバリズムは個人主義を前提とする

自由競争、市場原理主義は強者の為に作られた概念

「自由」の独裁が始まっている〜誰かの自由は誰かの不自由〜

TPP11なら大丈夫という言説〜日本の自滅は決定的〜

グローバリゼーションは日本国民を地獄に突き落とす

かなり前の記事ですので私の勉強不足から現在とは認識が違うことや、つたない文章になっていることは否めません。

今回の記事はグローバリゼーションについて基本的なことが多くなりますが、ぜひ参考にしてみてください。

自由貿易協定とは新たな侵略手段

グローバリゼーションのデメリット〜自由な社会の行末〜

帝国主義とグローバリズムは根がひとつ

世界は核戦争の世界滅亡の懸念から軍事力による紛争解決手段は危険であると認識したとの判断から上記の記事を書いています。

グローバリゼーションとは「ヒト・モノ・カネの自由な移動」のことですが、このヒト・モノ・カネが自由に移動することの弊害については全くと言っていいほど語られていません。

ヒト・モノ・カネが自由に移動するということは、これらはその時点で「最適な場所」に移動することを意味します。

投資、労働なんていうのはわかりやすく、一番儲かる投資対象に資本は投下され、投下された場所に人が集まり、投下されなくなった場所は見捨てられれます。

外国人労働者は自国で労働して賃金稼ぐよりも、外国に来たほうが稼げるから外国人労働者(移民)として、働きに出るのです。

企業としては労働コストをできるだけ抑えたいというインセンティブがありますから、低賃金労働が実現するように企業活動を行いますし、政府に対してそれが実現するようにロビー活動や献金をします。

政治を操る経団連の政党評価表と供託金

現代世界はビジネスの論理で動いている

多国籍企業は利益のためにこのような活動をします。

多国籍企業も投資をするに際して、資金をどこからか調達します。

それは多くの場合、銀行や投資家からの調達になります。

企業の投資家、債権者に対する責任は「安定した高配当と利息付きの返済」と考えられています。

つまり、企業の上位には「お金を操る者」がいるということです。

それが、「ロンドンシティ、ウォール街など」の投資銀行や個人投資家というわけです。

このような金融街の住人達は政府を意のままに操ります。

トランプ政権の陣容一覧 —— アメリカの未来を決める31人

政府の重職についたり、政府の諮問会議に同席して影響力を発揮したりと言った具合に。

何故それが咎められないかと言えば、彼らも彼らで政府に対し、多額の献金をしているからです。

米国は日本とは違い政治献金はスーパーパックという制度を通して青天井です。

コトバンクースーパーパック

グローバリゼーションが進んだ世界において「これは米国の話でしょ?」といった反論は通用しなくなります。

というのも、「ヒト・モノ・カネ」が自由に移動することは米国のウォール街の資金が日本の企業の株式や債権を通して影響力を発揮できてしまうからです。

こうなると外資の資金が入った日本の企業は、外資のために働くことが必要になってきます。

つまり、外資にとって都合の良いロビー活動をせざるを得ない状況になるのです。

本来、こういったこと防ぐために「外資規制」が設けられているのですが、橋本政権の金融ビッグバン以降、様々な仕掛けによって日本は外資規制を取り払ってきました。

そのときの状況はデフレ下であり、外資からしてみればお買い得だったでしょう。

このように、グローバリゼーションとは資金を通じて他国を武力によらずにコントロールすることができる言わば「侵略手段」なのです。

主権、領土、国民すべてを失う

グローバリゼーションが進めば当然に国家の要素である主権、領土、国民は蔑ろにされます。

前段で説明したように、資金を通じて他国を支配できるのであれば、自由貿易協定という条約は「国家主権を破棄する」ものであると言えます。

国家主権とは即ち国民主権のことですが、国民は単なる経済主体でしかなくなり、領土は単なる経済地域となるので、国民主権は事実上消滅することになるのです。

現在政府が北方領土や竹島、尖閣諸島を守る気がないと感じられるのは最早彼らにとって「守る必要性がない」から守らないと言えます。

政府は企業の言いなりになりますから、国民の安全を守ることはしようと思ってもできないのです。

それが「自由貿易協定」だからです。

水道民営化や種子法廃止、国有林伐採の民間開放など国民を守るどころか危険に晒す法案でも自由貿易協定に準じた法整備をしなくてはいけない政府としてはやるべきことをやっているに過ぎないのです。

最近売られた日本の財産〜一般庶民を殺す気なのか〜

既に国民を守るという機能は存在していない

堤未果氏の「日本が売られる」を見ると日本政府が国民を守るという意思も機能も存在していないことが明白です。

国民健康保険などの社会保険も無くなるか、良くて形骸化することになるでしょう。

国民健康保険は既に、製薬会社や医師会の利権になっていますからそもそも保険の体をなしていません。

保険料としても高すぎます。

人を病気にして儲ける構図があるのですから、救急以外は病院に行くことはオススメできません。

水道民営化にしても水道事業を企業に運営させるという発想自体、国民を守る気はゼロです。

安全保障を考えない国家は滅びます「◯◯がないだけで自由は奪われる」

自由貿易協定に対する経済予測などは参考にならない

統計とは数字を操作することによって数多くの結論を導き出せるものであり、分析する者の思惑を具体化するものも多く存在します。

主流派経済学は世界レベルの「嘘」を生産している

その中でも主流派経済学では自由貿易協定を手段とする侵略戦争に国籍を問わず手を貸してきたことになります。

主流派経済学で唱えられているマクロ経済の本質は、国家経済の成長を促すことに終止した学問であり、多くの場合ピラミッドの頂点の人々を豊かにするだけで、底辺にいる人々は更に底辺に追い込まれるだけです。

トリクルダウン理論の欺瞞は明らかになっていますが、正しく顕著な例がこの理論になります。

支配層の基本的な考え方

適者生存の原理に固執し、特権階級に生まれるという幸運を得たからには、それを子々孫々受け継がなくてはならないという、ある意味ではごく自然な考え方です。

グノーシス主義、フリーメイソン、薔薇十字団、テンプル騎士団、スカル・アンド・ボーンズなどの事実上存在する秘密結社に属する支配層の人達というのは、邪悪な意図や目的を持つ部分もありながら、多くは共通の利害関係で結びつかれていると考えたほうが正確かもしれません。

ひとつ100%断言できることは、

「支配層は私達庶民の生活など一ミリも考えていない」

ということです。

まとめ

為替操作禁止条項で経済政策の全てを独自に決定することができなくなるということは、もちろん主権を失うことになりますし、ラチェット規定もありますから、二度ともとに戻すことはできなくなります。

最悪、為替操作禁止条項が批准されれば、日本国民の為の経済政策は打てなくなり、それら政府調達は多国籍企業が落札し、コンセッション方式によって運営されることになるでしょう。

日本国民の負担は更に増大することになります。

MMTはインフレ率を基準に財政出動の幅を調整します。

このまま増税が進められた上でMMT前提で経済政策が行われれば経済政策決定プロセスは外交マターになり、インフレ率は財政出動をしても上がりにくいと予想できます。

というのも、多国籍企業は利益をタックスヘイブンに移転させますので日本国内で消費や投資が進まないのです。

大企業だけではなく、中小企業でもタックスヘイブンに法人、口座を持っている企業は数多く存在します。

またスタグフレーションの懸念、米国利益ひいては多国籍企業の利益になる経済政策しかできなくなる可能性もあります。

となれば、日本政府は多国籍企業に日本国民の負担で所得移転をするだけの存在になるのです。

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