現在、”発想”と”言葉”が情報の核になる要素となっています。
IT技術の進歩により、以前はメディアを操る為の資金で情報を支配することができましたが、社会に影響力を与える要素が、資金ではなく”発想と言葉”になっているのです。
記憶に新しいところで言えば、「ペヤングゴキブリ混入事件」でしょうか。
ペヤング ゴキブリ混入事件 数十億円の代償を払ったペヤング まとめ + 工場は本当に汚かった?
この事件は、あるひとりの大学生がツイッターに投稿したことで明るみになった事件です。
本人も言っていましたが、社会正義とか大それたことを考えていたのではなく、ただいつもの習慣でツイッターに投稿するネタぐらいにしか考えていなかったということです。
少なくとも私が彼の話を聞いて受けた印象はこのようなものです。
彼を擁護する声、非難する声、当然どちらもありますが、この問題の本質は、
「個人の社会的影響力が飛躍的に増大している」ことです。
本人も仰っているように、あまり考えていなかったわけですから、こんな社会問題になるとも想像していなかったということです。
端的に言えば、「自分の持つ力を正確に把握していなかった」ということになります。
私はあまりカップ麺のようなものは食べませんが、仮に入っていたとしても、メーカーに連絡して回収してもらうくらいで終わらせます。
いきなりツイッターは流石にヤバいと思いますが、自分の影響力を一切考えていなければやってしまうのも無理のないことなのかなとも思います。
ある意味では大学生くらいで良かったかもしれません。
仮にヤクザな人間が手に入れれば恐喝するネタとしては十分です。
人間が作業する以上はミスがありますから、私自身何億個も製造しているカップ麺に虫が一匹入っていたところで、それは愛嬌で済ましたいところです。
ペヤングを製造しているまるか食品は数十億円単位の損害だったとのことですが、企業のCSRを考える上では十分過ぎるほどです。
生産ストップ、自主回収、その他と企業経営的にはやり過ぎるくらいが丁度良いのですが、裏を返せばそれほどしないと社会が許してくれないと企業側が思っているということでもあります。
日本社会が許してくれないと考える根拠であろう我が国の国民の国民性もまた、ひとつ問題であるのでしょう。
このように、現代は個人が”情報が兵器という事実”に気付かずに所有している特異な時代です。
その兵器をうまく活用するには使う側が、兵器を持っていると自覚し考えなければなりません。
この記事では、”情報が兵器と化す条件”を考えてみたいと思います。
どのような情報が兵器となるのか?
情報というのは、誰かにとっては都合がよく、違う誰かにとっては都合が悪いものです。
例えば、誰かの弱みや、隠し事なんかは昔から武器となりがちな情報です。
法律なんかもそうでしょう。
企業に勤めるいち従業員が法律を知ることは、その個人にとっては都合が良いものの、経営者にとっては都合が悪いものと言えます。
それまでその従業員は法律違反をしていることを知らずに行っていたという事実が法律を知ることで、違法行為を自覚するようになります。
そうなると、経営者にとってはそれまでのように知らなければ、ずっとある意味で問題なくこき使えたのにという話になります。
基本的に誰にとってもフラットな情報というものは実は意外とありません。
事実は捻じ曲げて伝えられますし、本当のことを伝えているつもりでも個人のバイアスがかかってしまえば、その情報発信者が見落としている部分や知らない部分は伝達することはできないということになります。
仮に自分の目で”事実を見たとしても”それが真実とは言えなかったりもします。
例えば、911事件を目撃した多くのアメリカ人がテロを真実だと思い込んだことでしょう。
私がやっているこのブログも誰かにとっては不都合でしょうし、私にも見落としている部分はないとは言えません。
あとは影響力の問題となります。
情報は影響力と掛け算の関係です。
どちらかが0になれば対外的には全く意味をなさないものです。
情報は影響力を持つ者にこそ”力”を与えるのです。
その力を持つ者が、これまでの時代は限られた階級の人間だけだったのですが、技術の進歩により奇しくも「大衆」に与えられたということなのです。
どのような情報が兵器になるかというよりも、自分の持っている情報が誰かにとっては都合が悪いものと考える事が重要なことです。
情報が兵器となるタイミング
先程も書いたようにある情報が”影響力”を持つ者から発信された場合です。
例えば、テレビCMに起用される人間はどのような基準で起用されるのでしょうか?
大抵の場合、”その時流行っている人”あるいは”起用する側が流行らせたい人”となります。
一時期フジテレビの韓国ゴリ押しが顕著でしたがあれは確実に後者の基準で選ばれたものでしょう。
その原因はフジテレビに対して影響力のある者が推し進めたと言えます。
例えば、株主、役員など、それらに対して影響力のある者ということになります。
あれほどクソつまらない韓国ドラマや、みんな同じような顔の韓国人アイドルが自然に人気を集めることは普通は考えられません。
だからこそ、「ゴリ押し」といった意見が出てくるのでしょう。
また、プロパガンダの目的もあったのだろうと思います。
基本的にテレビなどのマスメディアは多大な影響力を持つ、第四の権力と言われる存在です。
そんな力を持つ存在が、公共の電波を使い韓国ドラマを流行らせようとする目的は「日本人は歴史ドラマが事実を基に製作されている」と思っている人が多いということを踏まえてのことでしょう。
我が国の歴史ドラマは間違っていることも多いですがそれなりに”一応の公式の事実”を反映させています。
しかし、よくよく調べてみれば韓国ドラマは、ファンタジーと言えるレベルで事実が反映されていないのです。
そんな物を放送するということは、プロパガンダの目的以外に考えられません。
大東亜戦争後、日本人がどうしてそれまで鬼蓄米英と言っていたのにも関わらず、戦争に負けた途端、アメリカの占領政策をいとも簡単に受け入れたのでしょうか?
そこには、戦争に負けるという”大衆へのショック”があったからです。
いわゆるショック・ドクトリンですね。
つまり情報が兵器となるタイミングということで言えば、
情報受信者に一定の”下地”ができている時
影響力を持っている時(不特定多数の人間に認識させる力)
その情報が公開されることが不利益となる者がいる時
ということになります。
情報を扱う時に心がけること
情報を扱う人間には誰もが忘れがちなことです。
「影響を考えること」
自分が話したこと、公開した情報がどのように社会に影響するかということです。
情報を公開する時に付いてくるのは一定の”リスク”です。
例えば、私なんかは、大した影響力が無いのにも関わらず、クライアントにこのブログを拝読され、契約を解除されたということがありました。
しかし、こればっかりは致し方ないことです。
それよりも大事なことだと思っているからこそブログを優先できます。
それ自体、このブログを継続する前から理解ってはいました。そうならない方がおかしいと。
出来る限りの準備はしたのでそれほど痛手は被らなかったとは思っています。
とは言え、情報を扱うということにはやはり一定の”覚悟”のようなものが必要だと実感しました。
その程度のことは、死ぬことに比べたら屁でもないことですし、我が国を守るために戦って散っていった方達と比べれば、私は十分生きたと言えるかもしれません。
自分語りで申し訳ありませんが、良い例なので挙げてみました。
まとめ
情報が兵器となる条件ということで書いてきましたが、基本的には「他者への攻撃」を前提とします。
その兵器をちらつかせることで、相手から何かを引き出すということです。
それを得意とするのが、暴力を背景とする「暴力団」であり、世界最強の軍隊を背景とするのが「米国」です。
武力を背景にするのは別に米国に限ったことではありませんが、世界最強の軍隊をもってして同盟国の構造を変えるように誘導することをしてきた我が国からしてみれば情けない実績があります。
現代は情報が兵器になりやすい時代です。
一個人が持っている企業の情報は、その企業にとっては”常識”である場合が非常に多いです。
しかし、その”常識”は社会の非常識であったり、犯罪でもある場合が多いのが実情です。
経営者は如何に従業員を安くこき使うか、従業員はここを辞めても他に行くところがないと、ブラック化を受け入れます。
しかし、それほどのことをしている企業に”叩いてホコリの出ない”企業はまずありません。
その一個人が、勇気を出して持っている情報を公にしたり、それを材料に労働条件の改善を図ることができたりもするのです。
こういったことを言うと「組合に言えばいいじゃないか」という意見がありますが、よくよく考えてみて欲しいと思います。
どのようなタイプのでも良いですが、しっかり労働組合が機能していたら、ブラック企業問題など起こりません。
組合の連中というのは発足当初は良いものの、後に組織が大きくなると、私欲をむき出しにします。
それが講じて”組合貴族”という言葉が生まれたのです。
結局のところ、情報を兵器にすると言ってもそれを使うのは人間です。
使い方次第で、いくらでも結果は変わるのです。
是非、あなたの使い方を見つけて欲しいと思います。