なぜ今、観光立国なのか?

この言葉、最近よく聞く言葉ではないでしょうか?

外国人に優しい街づくり」などと一見するとなにか良さそうで、倫理的で正しいことのように思えます。

政府は、訪日外国人旅行客の取り込みを継続して成長戦略の柱としています。

2015年に約2000万人だった観光客を2020年までに倍増の4000万人、2030年までに6000万人にしようと計画しているようです。

3/21追記:以下のリンクの記事は削除されました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170118/k10010844361000.html

去年の頭辺りまでは中国人の爆買いが話題となっていましたが、中国人の爆買いは終焉を迎えているようです。

大手百貨店も中国人向けのスペースを用意し、日本人よりも大きい金額を使ってくれる中国人に焦点を合わせた戦略を取っていました。

その結果、中国当局の税制の変更や経済の失速、円高などの要因で爆買いが終結した今、日本人の客はもう銀座に寄り付かないという状態に陥ってしまったのです。

私個人も百貨店には行きますが、一時、日本語がほとんど聞こえないという経験をしています。

ついでに店員さんにも百貨店らしからぬ無愛想な対応もされてしまったので、もう二度と行くまいと決意した瞬間でもありました。

私が日本人だったからそういった対応だったのか、ただただ忙しかったのか、私が童顔のために大して金を使わない客だと思ったのかはわかりませんが、私が感じたことは「相手にされていない」という屈辱でした。

百貨店はもちろんラオックスも赤字転落というニュースがあったことは記憶に新しいかと思います。

http://www.mag2.com/p/news/221041

なぜ、日本の小売業は外国人に狙いを定めたのか?

これはいくつかの原因があります。

ひとつは、と言うより大本は「デフレ」が原因です。

経営者側がデフレである以上、日本人の消費は期待できないという判断し、且つできるだけ早く業績を良くしようとした場合、日本人をターゲットにすることは経営的には間違いとなってしまいます。

それでも、日本人の中流から富裕層はそれまでのターゲットでしたから売り手がターゲットを外国人にシフトしてもしばらくは利用するでしょう。

しかし、日本人の消費者としては何度も利用するうちに自分が蔑ろにされているというような感覚や違和感を感じたとしても不思議はありません。

そもそもマーケティングにおけるターゲット選定はターゲット顧客以外は離れていくという結果をもたらします。

逆に言えばマーケティングそれ自体は成功していたわけです。

しかし、売り手も中国人の爆買いなど一過性のものだということはわかっていたはずです。

わかっていなかったとしたらその企業についているコンサルタントや経営者、マーケティング担当者は相当ヤバイです。

ここで、二つ目の原因である株主資本主義とマーケティングの問題が浮上します。

株主資本主義と言えばこれまたこの記事でも書きましたが、一言で言えば、

企業は株主の利益発生のための装置」という考え方です。

正直者が報われる、一生懸命働けば報われる社会は間違っているのか?

以下の百貨店の株主比率を見てみてください。

三越

http://www.imhds.co.jp/ir/stockholder/situation.html

丸井

http://www.0101maruigroup.co.jp/ir/stock/info.html

高島屋

https://www.takashimaya.co.jp/base/corp/shareholder/report/pdf/151report.pdf

銀座松屋

http://contents.xj-storage.jp/xcontents/82370/9f28171c/a31e/4a23/9232/74c572058b27/20161104180424770s.pdf

順不同

どれも外国人と金融機関の取得比率が高いことがわかります。

金融屋は金を運用して利益を出すお仕事ですから、短期で利益が出ればそれで良いのです。

外国人株主も基本的に金融屋と同じ思考回路です。

別に自己が投資している会社の顧客など知ったことではありません。

要は「短期で業績を上げられる手段」であれば

なんでも良いということです。

そして、こういった人達や組織はもう儲からないと思えば株式を売って

はいさようなら、次はどこの企業に投資すれば短期に利益を出せるか」を考えるこのルーティンです。

私の個人的な感覚ですが、日本的に言えばこの発想は

「ヤ◯ザっぽい」

と感じます。

骨の髄までしゃぶり尽くして味が無くなれば捨てるの繰り返しです。

経営者側も情けないと感じます。

所有と経営の分離なんだから、

「株主は黙って俺の経営方針に従え!嫌なら株を売ってもらって結構だ!」

ぐらい言ってほしいものです。

そういった株主に対しても顧客に対しても毅然とした態度の企業の商品は例え同じものが安くあったとしてもその企業の商品を買わせていただきます。

蛇足になりますが、私はこの10年、食品や、衣類、家電、小物などは9割9分国産を購入しています。

Macを買ったことは申し訳ない気持ちでいっぱいですが、私のような不器用な人間はWindowsよりもMacOSの方が単純に感じられたのです。

当時はスティーブ・ジョブスも健在でしたし…

話を戻します。

とは言うものの、デフレ経済の中このような態度を取れる経営者はまずいません。

と言うより、デフレ経済の中では従業員の生活を背負っている、自己の利益、株主との摩擦、競業とのせめぎ合い

など様々なことを考えたら、やはり短期で利益を上げられる方策を取らざるを得ないのです。

経営者が日々感じるプレッシャーは雇用されている者の想像を絶する重圧です。

それを知っている以上はただただ経営者を非難するわけには参りません。

だから世の経営者にはこんな言葉をプレゼントしたいと思います。

「あなたが我が国を支えているんだからもっと強気にイッてどうぞ!!」

と。

もちろんグローバリズムも原因のひとつではあります。

グローバリズム弊害については以下の記事をどうぞ。

帝国主義とグローバリズムは根がひとつ

観光立国にするということは自国民をほったらかすということ

そもそも外国人をターゲットとして国内の消費を伸ばそうということは、日本人の消費には期待していないということです。

外国人の使う金をあてにして、国内の規制や環境、文化を変えようというのですから、

これは「外国人に優しい国」という言葉からは見えてこない中身の問題です。

こういった漠然としたなんとなく良いイメージの言葉には注意してください。

メディアや政治家が国民に対して使う言葉は常に抽象的で一見すると良いイメージの言葉です。

基本的にプロパガンダという前提で考えたほうが騙される可能性は低くなります。

以下の記事でも書きましたので参考にしていただければいいと思います。

メディアの情報操作手法を公開します

洗脳はエンターテイメントの顔を持つ

外国人の前に自国民のことを考えろよとなるのが一般的かと私は思いますがどうなんでしょうか。

日本人の消費に期待できない理由は単にデフレで消費が落ち込んでいるからです。

ポール・クルーグマンやスティグリッツも言っていますが、さっさと政府が財政出動で需要を作って、インフレ傾向に持っていくことが急務です。

しかしそこで国の借金プロパガンダが邪魔をし、更にプライマリーバランスの黒字化目標などとNPOであり、通貨発行権もある政府が言っているわけです。

ついでに財務省も国債発行を拒み続けますし、国債発行ができないから増税やむなしといった”イメージ”を国民に拡めます。

二段構え、三段構えの財政出動阻止活動をくり広げているのです。

こんな論理に与した政治家、役人、有識者、学者、経営者、メディア、コンサルタントなどの罪は極刑に値すると思います。

その為に何人の日本人が自ら命を絶ったのか、何人の日本人が日本人から奪うことをせざるを得なくなったのか、何人の女性が身を落としたのかと私は考えてしまいます。

自国民をほったらかし、外国人に優遇する国家などもはや国民国家として成立するのか甚だ疑問です。

そもそも外国人に選挙権はないのです。

情けなくて涙が出るレベルです。

外国人に優しい国ではなく日本人に優しい日本を

当たり前のこと過ぎてバカバカしい気もしますが、日本人が豊かになるような政策をすれば良いのです。

この当たり前のことを20年もしてこなかった国が我が国日本です。

日本人が豊かになれば消費も増え経済成長もし、税収も上がるでしょう。

心が豊かになれば余裕が生まれます。

そんな豊かな心の状態で外国人を迎え入れたほうがよっぽど外国人も気持ちよく観光することができるのではないでしょうか。

個人的には誰にでも優しくすべきだと思いますが、モノには順序がありますし、私にも外国人の友達は何人もいます。

日本では日本語以外使いませんし、友達にも私と喋る時は日本語で話すように強制しています。

その代わり、彼らに困ったことがあれば助けますし私が彼らの国に行くときはその国の言語を勉強していきます。

相手を尊重するとはこういうことだと私は理解しています。

日本人に優しい国になれば、国民性から考えても勝手に外国人に優しくするでしょう。

早くマジョリティの日本国民が気付いてくれることを祈るばかりです。

企業の英語化は日本を復活させるのか?

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