「北朝鮮が核を廃棄する」
このように聞いたらあなたはどう考えますか?
マスコミでは「中国が北朝鮮に圧力をかける」、「アメリカが北朝鮮と戦争か?」といった論調で報道されています。
だとしたら、「何をバカなことを言ってんだろう?」と思うかもしれません。
ですが、よくよく考えてみるとあり得ない話でもないと思うのです。
金正恩が「自分達だけは助かりたい」と思っていたら…
この記事ではその辺りを考えてみたいと思います。
北朝鮮の立場を考えると…
最近の北朝鮮の情勢の変化を観てみると関係国の北朝鮮に対する姿勢も観えてきます。
先日、金正男がマレーシアの空港で暗殺されました。
最近話題になっていたの記憶に新しいと思います。
マレーシアの立場
金正恩からしてみれば、自分の立場を脅かす者の排除に成功したと言えますが、マレーシアからしてみたら迷惑千万ですし、断交になる可能性は非常に高いと言えます。
中国の立場
正確には習近平の立場としては、金正男をサポートしていた背景があり、暗殺に成功されたことは
「メンツを潰された」ということになります。中国は元々、一枚岩ではないので喜んでいる共産党幹部もいることでしょう。
しかし中国は、金正男をひとつの”外交カード”にしていたことは間違いありません。
本来なら「正男」だけに指導者になるはずの人間だったわけですから。
またいくら国交があり同盟関係があると言えども、中国が何のメリットもなしに、金正男の保護をするわけがありません。
一部報道では、道義的な理由で守っているということになっていましたが、ブラフと考える方が自然でしょう。
金正男が殺されたとなれば、次は金正男の息子が殺される可能性が極めて高いのでそちらの警護に全力をつくすことになるのではないでしょうか。
韓国は無政府状態といった状況です。
北朝鮮は日本とアメリカの同盟関係それ自体は理解しているわけですから、
日米同盟を利用して”何か”を達成しようと考えている可能性が高いと言えます。
でなければ、いくらイランやサウジアラビアに対してミサイルを売る為とは言え、発射実験としては多すぎるように思えます。
北朝鮮がミサイルを頻繁に発射する目的
北朝鮮は恐らく日本にミサイルを当てるつもりはさらさらないでしょう。
さすがにそこまでバカでは無いはずです。
北朝鮮の軍事力とアメリカと日本の軍事力を比較すれば、100%北朝鮮が負けることぐらい誰でもわかることです。
だとしたら、何のためにミサイルを日本に向けて飛ばすのか?
ひとつはデモンストレーション。
もうひとつは、一刻も早くミサイルの性能を上げ、アメリカに国家として認めざるを得ない状況に持っていきたいという目的があるのではないでしょうか。
以前から、金正恩はアメリカに対して、国家として認めるように活動していたことはご存知かと思います。
しかし、相手にされてないといった状況なので
「どうすればアメリカに国家として認めてもらえるのか?」
を考え、最速でするためには、「軍事力の強化」が現実的と言えます。
北朝鮮にそれほどの経済力はないと反論があるでしょうが、確かに口座凍結もされたり、送金に制限がかかているので経済は逼迫している状況ではあるとは思いますが、しかし元々北朝鮮は、覚醒剤の製造や販売、武器輸出、人身売買など犯罪で生計を経ててきた地域です。
日本に対しては、日本国憲法上の理由から実際に当てない限り、報復することはないと北朝鮮もわかっているでしょう。
しかし、ミサイルを発射し続け、日に日にミサイルの精度が上がっていることや、技術力が上昇していることをアメリカにアピールするためには、北朝鮮からしてみれば効率的な方法と言えます。
北朝鮮が弾道ミサイルをイランやサウジアラビアに売ることそれ自体はまだ良いとしているようですが、実際に「核を拡散する」ことは見過ごさないでしょう。
そうなれば、アメリカの先制攻撃は現実的になります。
トランプ大統領は親イスラエルですし、北朝鮮に対して、非常に怒っている様子なので。
北朝鮮としては、何とか金王朝が存続出来るように、サバイバルをしていて、その為に様子を観ながら、アメリカの出方を伺っているのでしょう。
北朝鮮からしてみれば、中国と組むより、また韓国と一緒になるより、断然アメリカと組む方が良いと考えるでしょう。
歴史的に見ても、朝鮮半島の民族は中国がどういう人間なのかをよく理解しているはずです。
北朝鮮としても韓国と統一することは絶対に避けたいと思っているでしょうし、ミサイルの品質を上げることで統一を避けることができ、またアメリカが無視できないようにするという目的があるならば、北朝鮮のミサイル発射の、理由も合点がいきます。
北朝鮮としては、日本と国交正常化し、
「アメリカが北朝鮮を国家として認めるなら、私達は核を放棄し武装解除します。その代わり、北朝鮮に米軍基地を置いて、金王朝は存続させてくれ」
と、このような結果が金正恩としては、理想的ではないでしょうか?
自分だけは助かりたいという前提
どこの国の王朝も
「自分達だけは助かりたい」
と思い、そのように行動することは歴史上、統治者がとる当然の行動と言えます。
支配者は自国が侵略された場合、亡命をするか、自分の命だけは助けてくれと言っていたことはご存知かと思います。
昭和天皇だけです。マッカーサーに
「私はどうなってもいいから国民を飢えさせないでくれ」
と仰ったのは。
だから、ある意味北朝鮮は「最終的に核を放棄する目的」で核を持っている可能性があるということです。
日本はどうするべきか?
我が国としては、北朝鮮が実際には当ててこないと理解しても「ミサイル防衛」はしっかりやらなくてはいけませんが、
防衛費は基本的にGDPの1%です。
罪刑法定主義ではありますが、平和ボケもここまでくると犯罪ではないでしょうか?
憲法に財政健全化などを盛り込むのではなく、平和ボケを律するための条文を追加するべきかと私は思います。
シリア問題で中東情勢は不安定ですし、アメリカの軍事力は相対的に落ちてきていることは明らかです。
軍事バランスが崩れた時に戦争は起こるわけですから、一刻も早く我が国は、軍事安全保障を強化するべきです。
しかし、我が国は変わりません。
いわゆる国の借金問題、無意味な財政健全化という壮大な嘘が蔓延っているために、日本国民は現在の状況を「対岸の火事」と思わされているに等しい状況です。
私の言う、いわゆる国の借金問題が「国民を殺す」とはこういった意味もあるのです。
アメリカはオフショア・バランシング戦略に舵を切っているように観えますので、東アジアの安全保障は自分達でなんとかしてね、武器は売るからさ!で、アメリカとしては国内世論にも合致するし、武器を売ることで対日貿易赤字の問題も解消するでしょうから、アメリカとしてはこれが理想的でしょう。
北朝鮮のミサイル発射の失敗を笑っている場合ではないのです。
失敗するということは、「成功しない方法をひとつ潰せた」ということです。
技術力は確実に上がっています。
大手メディアでは北朝鮮の崩壊が近いとされていますが、あの北朝鮮がただ黙って崩壊することは考えられません。崩壊の定義もわかりませんし。
仮に、この記事で書いた私の推測が本当に起きたとしたら、日本と北朝鮮は同じレベルにまで引き落とされます。
拉致問題は無かったことになるかもしれません。
あるいは逆にアメリカに解決していただくという嬉しい半面情けない結果になるかもしれません。
そうなることで我が国は更に、アメリカに対して強気に出られなくなり、自主的な独立は永遠に出来なくなります。
更に半島有事なんて起これば、韓国にいる人間は必ず我が国に逃げ込んでくるでしょう。
日本は難民問題を抱えることになってしまうのです。
一刻も早い、日本人の覚醒が必要な時代に突入したのです。