我が国はやはり51番めの州なのでしょうか?
以下は二月三日の記事ですが一体どういうことなのでしょう。
4500億ドルの市場・70万人の雇用創出効果、米に表明へ=政府筋
http://jp.reuters.com/article/dollaryen-idJPKBN15I07K
政府筋なので事実かどうかはわかりませんがこれが事実だとしたら、日本政府はもう属国であることを認めているようにしか見えません。
4500億ドルの市場を創出するインフラ投資をするのに何故日本の資金で行うのか…
日本政府が我が国のインフラはほったらかしで宗主国様よろしくアメリカファーストで政策を打つのであれば、私達日本人はアメリカ様の奴隷ということになるのでしょう。
我が国のインフラはこの20年間の公共事業に対するネガティブキャンペーンによって96年には42兆円ほどしていた公共投資(公的固定資本形成)が2010年には約半分となってしまいました。
引用:内閣府
96年というと橋本政権だったころだと思いますが、この時は消費増税と金融ビッグバンがありました。
この頃からGDPは横ばいを続けているのでデフレに突入したと言えます。
引用:統計局
どうして公共事業=悪となったのか考えてみたいと思います。
戦後のインフラはボロボロだった
ご存知の通り、我が国は大東亜戦争で、アメリカの空爆や原子爆弾投下という当時も現在も国際法違反である戦争犯罪によって破壊されたインフラを直す必要がありました。
毎年夏になると当時の映像がテレビで流されるので日本人であれば誰もが知っていることと思います。
また復興や経済活動を活発にするためには道路や水道、電気、ガス、警察による治安維持などのインフラは不可欠なものです。
戦後間もない頃は、冷戦が始まったこともあり、7年間のGHQの占領政策もありアメリカ側も日本に対し支援をし続けました。
公共投資があったこと、朝鮮戦争の特需、アメリカの支援、元々の日本人の勤勉さによって戦後50年で世界有数の経済大国になれたのです。
戦後のインフレ率とバブルの崩壊
引用:統計局
見て分かる通り戦後のインフレ率は現在の我が国とは雲泥の差のインフレ率となっています。
引用:内閣府
こちらのグラフを見ても公共投資は多く行っていたことがわかります。
その後1972年に田中角栄元総理が就任してからも、公共投資を続けたことによって需要過多となりバブルが引き起こされたものと考えられます。
このように当時は政府が需要を作り出していました。
ご存知の通り、需要と供給はバランスしています。
需要が供給を上回れば需要を満たすために供給力を増やそうとします。
それが生産性の向上となるのです。
生産性の向上の為の方策は基本的に以下の4つになります。
設備投資
人材開発投資
公共投資
技術開発投資
これらを行えば企業もしくは政府が投資として、お金を”使い”ます。
これらの投資の中で使われたお金が他者に移転し、(所得移転)その者達も消費や投資をしていくのです。
ところがその後の1986年からの約五年間で資産価格の暴落が始まりました。
そして橋本政権の緊縮財政と金融ビッグバンという規制緩和によりデフレ時代に突入したのです。
バブル崩壊についての、例えばいつからバブル崩壊が始まったのかということなどは議論がありますし、プラザ合意や変動相場制の導入など原因はひとつに絞れません。
一説には当局からの電話一本でバブルが崩壊したという識者もいるので中身を細かく観ていかなければ真実は観えてきません。
橋本政権以降、公共事業叩きが始まった。
「バブル崩壊の原因は公共事業であり、国民が生活を切り詰めて節約しているなら国も同じように税金を無駄遣いやバラマキなどせず節約すべきである。」
この論理は一見正しいことのように思えます。
しかしよくよく考えてみると大きく間違っている事がわかります。
その間違いについては以前に詳しく書いていますので参考までに。
公共事業=悪、政府は節約すべき、日本は高速道路が多い、人口が減っていくんだから公共投資は不要、などなど意味不明な論理で国民のルサンチマンを煽り続けました。
菅内閣当時の官房参与であった五十嵐敬喜という人物が、「可住地面積辺りの高速道路延長距離」という指標を発明し、我が国を亡国に導こうとしていました。
お分かりになると思いますが、可住地面積というのは「人が住むことの出来る面積」のことです。
言うまでもありませんが我が国は国土の7割が山です。
可住地が少ないのであれば計算上「高速道路が長い」ということになってしまいます
そもそも道路とは「可住地と可住地を結ぶもの」であることです。
国土条件やこれらの前提を無視した結論ありきの指標を開発し、あたかも「日本の高速道路は多い」と国民に印象づけたのです。
因みに、五十嵐氏は法曹です。
悪徳弁護士は国のトップにもいるということを理解しておく重大な事実です。
また五十嵐氏が行ったこのプロパガンダ手法は以前に記事にしたので参考にしてみてください。
この既成事実化のやり方には一番質の悪い数字のマジックも使われています。
一部を見せ、全体を見せないのはもちろんのこと、数字と権威を活用した合せ技であるために普通には見破ることはできません。
更に橋本政権以降は必ず前年よりも公共投資を少なくするという内部ルールのようなものが出来てしまっていました。
仮に公共投資を増やそうとしても、この高速道路が長いというイメージやいわゆる国の借金問題、人口減少で衰退する、国民のルサンチマン(政治家の不正、癒着など)、によってがんじがらめのような状態になっているのです。
そして、新自由主義的な構造改革、規制緩和、自由競争、日銀法の改正などが合いまって現在のひどい状況になっていったのです。
これらはすべてが嘘を前提に繰り広げられたプロパガンダです。
いつも言いますが彼らにとって事実は関係ないのです。
「嘘も100回つき続ければ真実になる」とか言っていたのはゲッべルスというナチス・ドイツの宣伝大臣と言われていますが実は違うとの説もあります。
ヨーゼフ・ゲッベルスが警告したこと〜プロパガンダの天才が危惧した未来〜
お隣の国からも強制連行されたとか、大陸の方では30万人虐殺されたとか言われていますが、これは「嘘」が「事実」に昇華した代表的な例です。
日本は4つの嘘で滅ぶ
- デフレの原因
- 財政問題
- 人口
- 公共投資
私自身これらの嘘(プロパガンダ)が我が国を滅ぼすと考えています。
この4つのいずれにも既成事実化の手法やメディアの情報操作手法が複合的に使われています。
逆に言えばこの4つの嘘を打破できれば明るい未来が見えてくるのです。
デフレの原因に至っては、単にバブル崩壊で国民が借金を返していき、更に緊縮財政で需要が減って国民の所得が増えないために、消費や投資が減ったというだけです。
これを人口減少が原因だという嘘つきがいるのです。
世界には人口減少している国が18カ国あります。いずれの国もデフレにはなっていません。
財政問題についてはいわゆる国の借金問題ですが、日銀は政府の子会社なので、日銀が国債を買い取れば政府の負債は相殺されて0になります。その後は返しても返さなくてもどちらでもいいのです。律儀に利払いしているようですが…
これは国内が貯蓄過剰のために銀行の貸出先がないから国債で運用するしかないというだけです。
本当は国債ではなく、企業に融資して利ざやを稼ぎたいのは山々なのに、貸したい企業は借りたがらない、借りにくる企業はリスクが高い結果国債で運用するしかないという状態なのです。
個人的にはガンガンリスク取って貸しまくって消費や投資を促してくれればありがたいですね。銀行には預けていませんし。
またメガバンクは潰れそうになったら公的資金が入るでしょうし「大きくて潰せない」という論理が働くからです。
政府の負債(国の借金)についてロシアやアルゼンチンは自国通貨建てなのに破綻したんだと反論がありますが、アルゼンチン、ロシアはドル建てで破綻したんです。
ついでにギリシャはユーロ建てということなのでそりゃ破綻します。
自国で通貨を発行できないのですから。
人口問題は総人口の減少ではなく、生産年齢人口の減少です。
元々、総人口なんて大して減っていません。
働き手がいなくなる生産年齢人口の減少が問題なのです。
供給力が減っていくということは需要を満たせなくなる可能性があるということです。
それを、外国人労働者で賄えば日本人の所得はこれまでと同じく上がりません。ロボットやAI,AGIもありますが実用化にはまだ先の話です。
新技術の実用化には様々な利権が絡みますのでハードルが高いのです。
今だに実用化に至らない技術など実はたくさんあるのです。
公共投資についてはこれまで書いたことそのままです。
冒頭で書いた我が国がアメリカに資金を出すということになった経緯というのはこれまで書いたことが大きな原因を占めているのです。
我が国は成長しないというデフレマインドが我が国全体に蔓延していること、そのデフレマインドがメディアの情報操作によって作られたこと、認知的不協和に陥り考えを改めないことなどが、亡国に繋がっていくのです。
公共投資=悪というイメージはこうして作られたのです。
この結果を想定して戦略を考えた人間がいるとしたらその人は悪魔と言えるほどの頭のキレがあるのでしょう。