個人の「戦い」と「闘い」の要素〜孫子の兵法の利用〜

このブログでは主にプロパガンダや経済、政治に関わることを書いていますが、基本的に全て戦いであると私は考えています。

それはどんな人にも言えることであると思っています。

ビジネスはもちろん、家族、友人、社会などに対する悩みは尽きることはありませんし、毎日毎日誰もがそれと戦っています。

時には、自分の意思や思想や信念とは相容れないことをさせられる場合もあるでしょうし、不条理なことも多くあるでしょう。

この記事ではそんな悩みを払拭、というかそれに対して積極的になれる知恵を書いてみたいと思います。

人生は「闘い」である

冒頭でも書きましたが、人生とは詰まるところ「戦い」です。

成功哲学的にはポジティブにとか思考は現実化する、目標を具体化せよとか書いてありますが、それだってできない人にとっては苦労、戦いなのです。

ナポレオンヒルが「思考は現実化する」というポジティブな本を出版していることはご存知かと思いますが、「悪魔を出し抜け」という陰陽で言えば陰とされる本を出版されていることをご存知でしょうか?

悪魔を出し抜け! [ ナポレオン・ヒル ]

意外と知られていないのです。

この本は正に「戦い」を表している本です。

私自身、コンサルティングの仕事において様々な経験をし、その中で感じたことは

「業界の常識は、社会の非常識」

であるということです。

あなたももしかしたら心当たりがあるかもしれません。

ですが、この激しい競争社会で生き残るためには、致し方なしと自分に言い聞かせながら、最初は拒否していた心も、いずれ麻痺し、当たり前になっていくといった「傾向」があるように思えるのです。

しかし、「そんなことをするために自分は生まれたのではない」と休日とかひとりでいる時にふと考えたりするのです。

その時、一瞬だけ「このままどこかに行ってしまおう」とか考えたり、「全てを捨ててどこかに逃げ出したい」と考えたりするものです。

実際に行動する人はほぼ皆無でしょうが、このようなことを考える人が多いということは、本人に満たさない何かがあるのです。

これらを我慢しこれまでと同じ生活を続けようとうすることも「戦い」ですが、そのような状況を打破することもまた「闘い」です。

ここで「戦い」と「闘い」の違いを説明します。

戦いとは結果重視の相手との優劣を競う行動のことです。

例えば、ライバル社との戦い、仇との戦い、アメリカとの戦いといった使われ方をします。

対して、「闘い」とは勝負を争うというよりも「抵抗」する闘いを指します。

相手が巨大である場合などのことです。

「権力との闘い」、「自分との闘い」、「病気との闘い」

といった使われ方をします。

つまり戦いは結果を重視し、闘いは過程を重視すると言えます。

何を言いたいかというと、まず「人生は闘いである」ということを認識することが重要です。

そもそも人生は闘いなんだと考えればその苦労は「当たり前」となります。

当たり前ならその現実を受け入れて、その苦労に対して闘うという姿勢になるのです。

例えば、自分の感情では「反発したい」と思っても、あなたの脳では「反発しても双方にとって望ましいことにならない」と考え、行動を決めるといったことです。

自分だけの利益を考えるのではなく相手も自分も折り合う状況を創り出す努力をする方が、自分も磨かれる上に、相手も気持ち良いという状態に持っていけます。

感情によって脳(あなたの魂)を支配するのではなく脳で感情を支配するという表現が適切でしょうか。

感情という敵は力強くあなたの行動を支配、誘導します。

感情に流され行動してしまった結果、後悔するという体験談は枚挙に暇がありません。

自分の生き方をするということは、感情に流されず、あなたの魂に従って行動するということなのです。

それが、「人生の闘い」なのです。

勝つためには闘い方がある

なんだか、自己啓発的な話になっているかもしれませんが、そんなことではありません。

闘いに勝つためには、それも悩みや自己嫌悪など正体がよくわからない敵に勝つためには特殊な闘い方が必要になります。

闘い、戦いと言えば孫武、つまり孫子の兵法です。

孫子の兵法を参考に闘い方を導いてみます。

五事七計という考え方が孫子の兵法にはあります。

五事とは以下の五つです。

「道」「天」「地」「将」「法」

のことです。

「道」とは下々の人間と上に立つ者を一心同体にすること理念です。

「天」とは、昼夜、寒暑、晴雨などの時間的条件です。

「地」とは行程の間隔や広さ、地形、などの地理的条件です。

「将」とは知謀、信義、仁慈、勇気、威厳などの将軍の器量

「法」とは軍の編成、物資、食料などの軍政に関する条件

孫子の兵法ですから当然ビジネスには応用できます。

五事は明らかに「資金と兵」の要素を意図的に除いています。

これは恐らく孫武の立場からあえて除いたものなのでしょう。

この「五事」は戦争の基本要素と孫子の兵法では言われています。

次に「七計」です。

一、責任者はどちらが戦いの大義を全体に浸透させているか

二、将は、どちらが有能か

三、タイミングと地の利はどちらに有利になるか

四、法令は、どちらがよく守られているか

五、軍隊は、どちらが強いか

六、将校は、どちらが熟練しているか

七、賞罰は、どちらが厳正であるか

これを「一個人」に当てはめて考えてみます。

まず基本要素の五事です。

「道」

自分の人間的魅力を磨いて周りを巻き込む

「天」

自分が活躍できるタイミングを図る

「地」

現在、置かれている環境を地理的条件と見立て、利用しつつ自分にとって良い環境に変えていく

「将」

自己の脳と精神を磨いていくことによって、自分の器量を大きくし、高めていく

「法」

自分が生きるための最低限の物質と目的を達成させるために必要な物質の量を考える

このように個人に当てはめて考えてみることです。

これらはあくまでも要素、「闘いに勝つため、あるいは負けないための基本的な考え方」です。

七計も同じようにあなたなりに個人的に当てはめていくことで、自分が何をすべきかがわかってきます。

人それぞれに事情は違いますので正しい間違っているということはありません。

闘いには「勝つ」「負ける」の他に「負けていない」という時期もある

勝つということは、「目的が達成された時」、負けた時は「諦めた時」、負けていない時は「継続している時」と言えるでしょう。

これを踏まえて人生を闘って行ければ自分が今どの状態にいるか理解できます。

これを考えるときに嬉しいことは、負けたと思っても負けてないと考えること、つまり這い上がろうとする心が鍛えられることです。

諦めなきゃ負けてない」ということです。

絶対に負けない」とは個人レベルで言えば「絶対に諦めない、逃げ出さない」ということです。

負けなければその内勝てます。

面倒なことをやったもの勝ちという側面も人生にはよくあるので。

実際「負ける」というのは非常に惨めです。

負けるを表現する上で私はいつも我が国を引き合いに出します。

今の、日本を観て「これが負けるということだ」と。

同時に我が国を「負ける」にするも「負けてない」にするも国民次第だなあとも考えています。

私は「負けてない」に少しでも近づけることが社会貢献のひとつであると信じています。

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